自転車で山、海へ行く

山、海、街、自転車、船、本のこと

その線は水平線(2021/12/30)

7時半ごろに起床。こんな時間まで寝たのは久しぶりで、いつまでも布団に入っていたい気分。しかし旅館の朝ごはんが7時半からなので急いで起きる。他の3人も眠そうにしながらゾンビのようにむくりと起き出した。窓には燦々と水面輝く宍道湖が枠いっぱいに広がっていて、とても清々しい気持ちになれた。白波が立っている様子から風の強さが伺える。f:id:massto0421:20220104195257j:image

朝ごはん。写真を撮り忘れたが、しじみ汁が美味しかった。しじみ汁だけでご飯3杯は余裕で食べられそうである。あと明太子が美味しかった。朝ごはんのシメは、ご飯に明太子と温泉卵を乗っけてご馳走様でした。やー幸せだぜ。

今日の目的地は出雲大社。チェックアウトを済ませて、一畑電車の「しんじ湖松江温泉駅」へ。列車に乗りこむと座席が中途半端に空いていたので、自分は1人、向かいに他3人というかたちで座った。しばらく乗っていると不意に、向かいに座る3人の背後に宍道湖が流れていく。鈍色の空としずかな湖は、日本海側の鬱屈とした冬の空気感を象徴するような淋しい風景だった。身体をくねらせて窓を眺めようとする3人の姿が絵になって、思わずいい写真が撮れた。f:id:massto0421:20220104195332j:image

出雲大社前駅」の駅舎はチャペルのようなデザインで、窓にはめられたステンドグラスや、装飾の凝った照明が美しい。外観も同様である。f:id:massto0421:20220103203045j:imagef:id:massto0421:20220103202944j:image

出雲大社につながる参道を上っていくが、参道沿いのお土産屋に俗っぽさがあり、せっかくの歴史ある出雲大社の雰囲気を壊してしまっているように思われた。最近の観光地にありがちな話である。一行は出雲大社の手前で横道に逸れ、「神迎えの道」と呼ばれる道を日本海側に歩いていった。こちらは先ほどの参道とは対照的に、昔ながらの下町感が残っていてよかった。出雲そばの人気店が道路沿いに点在しており、11時半ごろにも関わらずお客さんが列をなしている。ここでお昼ご飯も考えたが、これからの用事を済ませてからにした。そのまま歩いていくと下り坂の先に海が見えた。遠目に見ても日本海は大荒れも大荒れで、静かな下町にざっぱんと波しぶきの音が響いている。こころの故郷である浜坂の町が懐かしく思えた。f:id:massto0421:20220104195408j:image

海岸に出ると想像通りごうごうと風が吹き荒れていた。砂浜の砂が飛んできて目に入りそうになるので、満足に目も開けていられない状態。服も当然砂まみれで、みんなギャアギャアと叫びまわる。今となってはそれが楽しい想い出だ。打ち寄せる波と戯れながら小学生のようなはしゃぎ方をした。海に来たのは出雲大社に「稲佐の浜」の砂を奉納するため。御朱印巡りの趣味をもつ友人いわく、砂を出雲大社に奉納する代わりに、誰かが奉納した砂を持ち帰ると厄除けになるんだとか。というわけで、この友人が用意してくれたジップロック稲佐の浜の砂を入れて日本海をあとにした。f:id:massto0421:20220104195440j:imagef:id:massto0421:20220104195500j:image

出雲大社へ向かう途中で「出雲の阿国」のお墓に立ち寄った。歌舞伎の創始者として知られる。現在、歌舞伎役者は男性に限られているが、阿国は女性である。どのような経緯で歌舞伎役者が男性に限定されていったのか気になるところである。

出雲大社を参拝する前に腹ごしらえを。「そば処 田中屋」という出雲そばのお店に入った。出雲そばは割子そばが有名らしいが、なんせこの日は雪のふる寒い日だったので、あったかい「とろたまそば」を頂いた。しっかりとコシがあり、蕎麦の風味を豊かで美味しかった。f:id:massto0421:20220104195525j:image

腹ごしらえもしたのでいよいよ出雲大社へ。先ほどの友人について行き、正しい参拝の順序を教えてもらう。そもそも参拝の順序があることを知らなかったので驚いた。稲佐の浜で集めた砂は本殿の裏手にある「素鵞社」に奉納する。もちろんジップロックに砂を入れ替えて目的を果たした。これら一連の参拝方法はいったい誰が考えたのだろうか。神社の商業的な策略が見え隠れしているような気もするが、それを言うとバチが当たりそうなので口に出さないでおいた。普段から信仰心が全くない(強いていえば保久良神社くらい)ので、色々と腑に落ちない点も多かったが、あまりない経験でもあるので何だかんだで楽しかった。f:id:massto0421:20220104195606j:image
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とにかく今年も年の瀬にふさわしい楽しい思い出がつくれて何よりである。一緒に旅行してくれた友人たちには感謝の気持ちでいっぱいだ。今回来れなかった2人も加えて、いつか6人揃ってどこかへ出かけたい。その日が来ることを僕は心待ちにしている。それまでに何かしらめでたい報告が出来るよう頑張っていこう。

 

宍道湖のしじみになりたい(2021/12/28)

待ちに待った年末旅行の日が来た。今年は高専の同級生3人と島根県へ行く。そのうちの一人「すずめ旅行社」と自称する旅行好きの友人がイチから計画を立ててくれた。宿泊地の予約だけでなく、メンバーひとりひとりの最寄駅からの交通手段をすべて調べ、特急券なども全員分用意してくれ、まさに至れり尽くせりである。昨年は和歌山の那智勝浦へ訪れたが、大変素晴らしい旅だった。今年も彼の計画する旅行をとても楽しみにしている。

当日、新神戸駅で神戸メンバーと集合し、新幹線ひかりに乗り込む。姫路駅で香呂の友人と無事に合流。そのまま寝ぼけて流れていく景色を眺めているとすぐ岡山駅に到着し、乗り換えのため下車。1時間ほど時間が空くので、駅ナカの喫茶店でモーニングを食べた。コーヒーがやけに美味しかった。約1年ぶりに会う友人もいるが、話のノリは学生の頃と変わらず、久しぶりに味わう居心地の良さにしみじみとした。みんな着々と目標に向かって進んでおり、自分も頑張らねばと強く思った。f:id:massto0421:20220102061710j:image

新幹線の改札を出て特急「やくも」に乗り換えた。カラーリングなのか、車両の形状なのか、あるいは両方なのか分からないが、レトロさを感じさせる列車を目にすると旅行の実感が湧いてきてワクワクする。そんな我々の想いを乗せて、特急「やくも」は高梁川沿いに黙々と岡山の山間部へと突っ走っていく。次第に車窓からはチラホラと残雪が目につき始め、新見あたりで完全な雪景色となった。神戸や大阪の市街地で雪が積もることは滅多にないので、年甲斐もなく興奮した。f:id:massto0421:20220102061801j:imagef:id:massto0421:20220102061805j:imagef:id:massto0421:20220102061757j:image

やがて最初の目的地「足立美術館」の最寄りにあたる安来駅に到着する。お昼ご飯に名物のどじょう料理を食べたかったが、あいにく目当てのお店は休業していた。仕方ないので足立美術館近くの売店でライスバーガーを食べた。まあまあ美味しかったが若干物足りなかった。

足立美術館は日本庭園と横山大観の絵画で有名らしい。どちらも全く興味はなかったが、日本庭園のスケールの大きさに驚いたし、横山大観水墨画の表現技術は素人目にもすごいなと思わせるものがあった。しかし個人的には新館で展示されていた「華やぐ日本画」という企画展が楽しめた。美術にはあまり縁がないが、今後自転車のデザインもしていくと考えると、ある程度美的センスもの備えておく必要があったりするのだろうか。自信がないなぁ。f:id:massto0421:20220102061905j:image

続いて一行は松江へ。少し雨がぱらついていたが、そのおかげで気温は思っていたほど低くない。宿泊地まで駅から徒歩30分ほどの道のりを歩くことにした。駅を出てメインストリートと思わしき道を西へ歩いていくと、視線の先に石灯籠が見えてきて、さらにその向こうには大きな水辺が視認された。宍道湖である。今回初めて訪れたのだが、既視感があるのは間違いなく琵琶湖の影響だろう。f:id:massto0421:20220102062023j:imagef:id:massto0421:20220102062018j:image

宿は「夕景湖畔すいてんかく」という旅館。名のとおり宍道湖に面した立地で、案内された部屋も湖側だったため非常にロケーションが良かった。17時ごろにチェックインしたので、部屋に入って荷物を整理したり、浴衣に着替えたりしていると夕飯の時間になった。夕飯は松江牛のすき焼きや鮑の踊り焼きに舌鼓を打った。普段は食べられない料理に満足。f:id:massto0421:20220102062041j:image

いったん部屋に戻って温泉へ。露天風呂に行くと雨がしっかり降っている。雨音を聴きながら温泉に浸かるのもなかなか良かった。明日は晴れてほしい。

部屋に戻ってから自販機で買った缶ジュースを片手に喋るつもりだったが、自分は夜勤明けからの睡眠不足で眠気に勝てず、布団に寝転ぶや否や寝落ちしてたらしい。意識の遠くでみんなの喋り声が聞こえていたのは覚えているのだが…。今回旅行に参加できなかった友人ともビデオ通話で喋っていたようだ。深夜2時ごろに目を覚ましてスマホ越しに意味不明な会話をしたことは記憶している。友人同士でケンカして仲違いしていた2人も、この通話で仲直りしたようで安心した。いつか6人全員で旅行したいものだ。一回起きたもののやはり眠いので歯磨きしてから布団に入る。スマホを見ると中学の同級生からインスタのDMが来ていたが、文章を考えるのが面倒だったのと、深夜特有の謎テンションが働き、どじょうすくいの人形の写真だけ送って画面を閉じた。f:id:massto0421:20220102065204j:image

鯖日記(2021/12/28)

12月27日の夜勤で仕事納め。退勤後は帰省の荷物を詰め込んだザックを背負って、そのまま友人と京都へ。目的は上賀茂神社のそばにある「今井食堂」で鯖煮定食を食べること。もうひとつは錦市場で祖父母への手土産を買うことだった。今井食堂は年末の営業状況が分からなかったが、一か八かで行ってみると幸運にも営業されていた。3日間煮込まれた鯖煮はホロホロで、骨まで難なくいただける。甘辛い味付けでご飯がすすむ。味噌汁はダシがよく効いていて、あっさりとした味付けながらも非常に美味しい。鯖煮→ご飯→味噌汁のループがたまらない。とても幸せな時間だった。幼少のころ家族で訪れたのが懐かしく、また食べたいとずっと思っていたが、ようやくその念願が叶って嬉しかった。f:id:massto0421:20220101193234j:image

次に向かう錦市場へは、腹ごなしも兼ねて鴨川の河川敷をぶらぶら歩くことにした。鴨川のそばを通るたび京都らしい風流な景色に見惚れてしまう。自然と調和の取れた街並み、水面を航行する鴨の家族や、空を飛び交うトンビなどの野鳥たち。二度目の人生があるならば京都で大学生活を謳歌したかった。そんな独り言はさておき、河川敷を歩きながら友人と互いに近況報告をした。中学からの付き合いとなる友人はインドアを極めている。対して自分はアウトドア派。性格的に真反対なところが多いが、唯一共通するのは人付き合いが苦手ということ。この日も人付き合いの難しさを話し合った。時には自分のよくない部分も指摘してくれる友人の存在はとても有難い。

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錦市場は年の瀬ということもあり多くの人で賑わっていた。人流に乗って商店街のアーケードをくぐる。祖父母にわたす漬物と、実家用に年越しそばのニシンを買った。買い物した後は抹茶のお店で小休憩。抹茶ぜんざいを一つずつと、わらび餅を半分こ食べた。美味しかったが若干胃もたれした。甘いものは程々がいいと分かっていながらも、なんだか食べ過ぎてしまうのが常である。

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錦市場を出た後は個人的に行きたかった古本屋さんへ。山の本を専門的に扱う「軟弱古書店」と、大阿久佳乃『のどがかわいた』という本を通して知った「善行堂」に行くつもりだったが、どちらも営業していなかったと知ったのは、京都大学あたりまで歩いた後だった。友人に若干非難されたが、これもお約束のパターンなので軽くいなして河原町行きへのバスに乗り込んで帰路についた。

地元で食べたモツ鍋が美味しかった。帰り際に友人がインスタのアカウントを作成するのを見守って解散した。

2022年出場予定レース・大会

3/20,21 六甲縦走キャノンボールラン

3/27 ツールドしものせき

4/3 BRM403近畿200km神戸

5/3,4,5 拝啓 加藤文太郎兵庫縦断スピードハイク

5/21 比叡山インターナショナルトレイルラン

6/19 秋吉台トレイルラン

8/ TJAR応援(北ア縦走)

9/11 六甲有馬ヒルクライムレース

9/18 丹後100kmウルトラマラソン

10/ 六甲縦走キャノンボールラン

10/30 金沢マラソン

11/6 下関海響マラソン

11/20 神戸マラソン

12/4 シム記念摩耶登山マラソン

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OSJ KAMI100 参戦レポート(2021/11/5,6,7)

今年の本命レースとして位置付けていた「OSJ KAMI100」のレポートです。装備やレース内容だけでなく、宿泊や交通手段など次回参加される方の参考になればと思い、記憶が新しいうちに記録しておきます。f:id:massto0421:20211129010840j:image

コース概要

・距離:112km(37km × 3周) 

・累積標高:約6000m(2000m × 3周)

・特徴:一言で表すなら「走らされるコース」。獲得標高の数字だけ見ると急登が多そうな印象を受けるが、実際は緩やかな林道のアップダウンが多く、テクニカルな下りも殆どないので走りやすい。この走りやすさが実は危険で、112kmというロングレースにも関わらず、序盤から突っ込んでしまいオーバーペースに陥りやすい。従って完走を目指すランナーにとっては、ランとウォークのメリハリをつけることが攻略の鍵となってくる。しかし上位を狙うランナーに関しては、この攻略法は当てはまらない。冒頭で「走らされるコース」と表現したように、走力のあるランナーであれば、ほとんどの区間をランで突破できてしまう。つまり実力相応の順位を狙おうとすると、ウォークで脚を休ませる区間が少ないのである。上位10%未満に入った知人や、名の知れたランナーが口を揃えて「きつい」と評していたのは、このような理由が考えられる。ちなみに完走狙いで走るなら、登りは全歩き、平坦と下りはボチボチ(平坦のロードをキロ6〜7分くらいの強度で)走る、これで1周6時間前後で走り切れるので、余裕を持って完走できると思う。一つの目安にしていただければ幸いです。公式より引用↓OSJ KAMI 100 | OSJ TRAIL RUNNING RACE SERIES-POWER SPORTS

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コースの風景

写真は試走時のもの。兵庫県最高峰の氷ノ山を望みながら美しいススキの高原が広がる。

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装備

  • ザック:salomon advance skin8
  • シューズ:inov-8 TERRAULTRA270
  • 服装:半袖半パン、カーフスリーブ
  • ウインドブレーカー:Patagonia houdini jacket 
  • 防寒着(上)montbell ウルトラライトシェルジャケット
  • 防寒着(下):underarmor
  • レイン(上):montbell バーサライトジャケット
  • レイン(下):montbell レイントラッカーパンツ
  • ストック:montbell ULフォールディングポール
  • ヘッドライト:レッドレンザー neo8HR
  • その他:補給食、その他必携品、薬(ロキソニン、2-run)、モバイルバッテリー

補給食

ジェルはカフェイン摂取用のみ、他の補給食は基本的にいつも山に持っていく固形物と変わらない。バナナ、おにぎり、あんパン、チョコパン、バームクーヘン、ラムネ、トレイルミックス、羊羹、塩豆大福、プロテインバー、ジェル(カフェイン摂取用)以上。塩分少なめだがエイドで補う予定だったので問題なし。

自身の走力

フルマラソン:4時間18分(2019年 東神戸マラソン←信号ありの草レースです。)現在はおそらく3時間40分前後?

六甲全山縦走ベスト(塩尾寺下休憩所ー須磨浦公園):6時間16分

交通手段

試走時も本番も、行きは高速バスを利用した。受付がスタート前日なので、全但バスの12:20大阪発ー14:51福岡ハチ北口着の便がちょうどよい。福岡ハチ北口からハチ北高原の宿場街まで約4キロほどあるが、本番は宿の方が福岡ハチ北口のバス停まで送迎車を出してくださった。試走時は徒歩で移動したが、ランナーであれば4キロの道は苦ではないだろう。道中の長閑な風景を楽しみながら歩くのも悪くはない。

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帰りはバスとJR.。福岡ハチ北口からJR八鹿駅まで路線バスで移動し、鈍行で大阪まで帰る。バスの本数が少ないので要注意。全但バス鉢伏線の時刻表→15_akioka_20210401 (zentanbus.co.jp) 

帰りも高速バスを利用できるならそれに越したことはない。鉄道の場合、レース後は寝過ごしてしまう可能性が大いにある。

宿泊

試走時は「よなごや」さんスキー | よなごや | 日本 | ハチ北 (wixsite.com)

にお世話になった。ハチ北温泉のすぐそばにあるので、レース後温泉に寄るなら立地的に便利だ。ホームページには書かれていないがWi-Fiもしっかりあって不自由なことは無かった。料金は他のお宿と比べてもかなり抑えめなのが有難い。f:id:massto0421:20211129011241j:image
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本番は「さかえ」さん旅館 さかえ | ハチ北観光協会 (hachikita.jp)を利用。ランナーのために送迎車を準備してくださり、前述したバス停からだけでなく、デポ用のテント設営時や、レース当日の宿から会場までの送迎もしてくださって本当に助かった。余談だが、バス停から会場に向かう車中で2020年の秋キャノンで一緒に走ったランナーのげんやさんと再会できた。とても気さくな方で、お話してる内にレースの緊張感や不安感が薄れていった。またどこかの山でお会いできればと思う。話は戻るが、「さかえ」さんのオーナーさんのおもてなしの心遣いが素晴らしく感動した。内湯は温泉でそれだけでも最高なのだが、なんとレース中はランナーがいつ帰って来てもいいように、宿泊者限定で24時間温泉を開放してくださるという神対応。本当に助かりました。ありがとうございます。レース後に食事を提供してくださった(500円)↓f:id:massto0421:20211129011338j:image

テント設営

レース前日の18:15からデポジット用のテント設営がスタート。17:45くらいから設営場所前に待機してたがそんなに急ぐ必要はなかった。時間前に場所取りができないよう、しっかりバリケードが設置されていた。

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レース内容

【1周目】

楽しみと不安が入り混じる中、9:00にスタート。先頭集団が駆け足でゲレンデの急登を上がっていくのを遠くに眺めながらゲートをくぐる。浮き足立っていたのか、200mほど走ってからガーミンの計測し忘れに気づき、慌ててログを取り始める。予定タイムは1周目6時間、2周目7時間、3周目8時間の合計21時間という安直すぎる設定。とりあえず完走することを第一に考えていた。

f:id:massto0421:20211129011540j:image最初のトレイルを下って、急な登り返しに差し掛かる。心拍が190まで上がっており少しペースを抑えたいところだが、体感的にはそこまで辛くない。おそらく気温が高めなのと、動き始めて間もないことが起因しており、一時的なものと考えられる。とりあえずそのままのペースで進む。前方に以前六甲山で知り合ったBIGさんを発見。先を急いで声をかけたいが、ペースを乱すのも躊躇われたので一先ず現状維持。その後第一エイドの美方高原で無事に合流できた。ソロ参戦の場合やはり寂しさを感じるものだが、知り合いに会えたことでテンションが上がる。スタートしてから、完走できるか不安な気持ちが心の中を占めていたが、ここからずっと“楽しい”モードで走れるようになった。お喋りのお相手をしてくださったBIGさんには感謝です。f:id:massto0421:20211129011613j:image

後半の兎和野高原エリアへとつづく林道を抜けて、再び下りのトレイルに入る。10月中旬に試走したときは軽快に下れたのだが、当日は落ち葉が降り積もって地面の状況がわかりづらい。落ち葉の下に隠れた岩を踏まないように、すり足のような足運びで慎重に下る。

スタートしてから約3時間30分後、第3エイドの兎和野高原に到着した。ここにはコース上でS/F地点を除いて唯一自販機が3台設置されており、そのなかの1台ダイドーの自販機で「さらっとしぼったオレンジ」を購入。f:id:massto0421:20211129011743j:image

試走で訪れた時に見つけて、これは他のランナーと争奪戦になるなぁと勝手に予想していたが、“さらオレ”を買っていたのは自分だけで少し落胆した。補給食で持ってきた塩豆大福と合わせると、さながら淡河名物「豊助饅頭」のみかん大福のようで非常に美味しい。“さらオレ”に満足したところで兎和野高原を出発。木の殿堂まで気持ちのいいトレイルをしばらく走ると、瀞川山へと向かう最後の長い登りが待ち受けている。特別急な坂ではないが、ダラダラと九十九折りが続き、コース後半ということもあって気力・体力ともにジワジワと消耗される。一緒に登っていた方も「この登りいつまで続くんやろなぁ」と(内心嬉しそうに)愚痴をこぼしていた。

ようやく兎和野高原エリア入り口の林道に出てくる。あとは、瀞川山9合目から山頂まで若干の登りはあるにせよ、ほぼ平坦路と下りになる。脚に極力負担をかけないよう一定のリズムを刻みながら走るが、最後のゲレンデの下り坂は舗装されたアスファルトの道なので、かなり脚にダメージを負ってしまった。コース1番の難所と言っても過言ではない。後半のことも考えると、1周目、2周目は無理に走らなくてもいいかもしれない。

当初6時間で1周目を終える予定だったが、5時間22分で走り終える。抑えて走ったつもりだったが、それでも周りに流されてオーバーペースになってしまった。エイドで但馬牛入りのカレーライスを戴く。これがまた美味しくてたまらない。一気に平らげて、自分のデポジット地点へ向かう。夜間パートに向けてヘッドライトをサブからメインに交換。そのほか補給食の入れ替え、防寒着もザックに詰め込む。トイレも済ませてから2周目へと入った。f:id:massto0421:20211129012158j:imagef:id:massto0421:20211129011958j:image

【2周目】

体の疲労感はあまりないが、脚の疲労は隠せない。左側のハムストリングの張りと、右ひざの違和感が不安である。左側のハムが張ってしまうのはロングトレイルの傾向として把握出来ていたので、今回はその対策として「2run」という攣り防止用のサプリを持ってきた。春のOSJ新城でハムが攣って動けなくなった教訓である。右ひざは今夏の北アルプス縦走(上高地立山・室堂)で痛めて以来、整形外科に通って治療していた。ニューハレのテーピングを貼って予防していたのだが、思ってた以上に負担がかかっているようだ。何はともあれ、まだ問題なく走れるのであまり気にせずにゲレンデを登っていったが、鉢伏山からの下りで不安が現実となってしまった。右ひざの違和感が明らかな痛みを伴って走れなくなってしまう。脚のことを考えるとリタイアすべきだが、数ヶ月間KAMI100のために費やした時間と労力が水の泡となってしまう。それだけは避けたかったので、鉢伏山と高丸山の中間あたりでザックから緊急時用に携帯してたロキソニンを取り出し服用する。この判断が功を奏し、美方高原から痛みが軽減し徐々に走れるようになる。下りで遅れた分、上りでペースアップを図る。林道出会いまで来ると日は沈み、夜間パートに突入。それに合わせてヘッドライトを装着。夜間パートは好き嫌いが分かれるが、自分はわりかし好きな方だ。視界からの無駄な情報がシャットアウトされ、神経が研ぎ澄まされていく感覚が心地よい。練習するときも夜の方が淡々と走りに集中できる。気づけば兎和野高原のエイドに到着していた。ここで戴いたオートミールのおじやが絶品で感動。何より温かいものを食べられるのが凄く有難い。お腹も気持ちも満たされてエイドを出発した。f:id:massto0421:20211129012223j:image

2回目のとろ川山は、紳士そうなおじ様とお喋りしながら登った。喋った内容はあまり覚えてないが、会話のおかげで精神的な辛さは感じなかった。ハチ北高原と兎和野高原を結ぶ林道を再び引き返し、またもやゲレンデの急な坂道を下る。今度は無理せずに歩いて下った。2周目のタイムは6時間20分。序盤から失速したものの案外タイムを落とさずに走り切ることができた。S/F地点のエイドでコーラを戴く。コロッケも提供されてたが、胃がもたれそうなのでやめておいた。テントでバナナと塩豆大福を口に詰めて、3周目への準備を整える。気持ちは切れるどころか、段々とワクワク感が強くなっていった。f:id:massto0421:20211129012033j:image

【3周目】

相変わらず登りは快調。体感的には一周目と同じペースで登れる。夜になって気温が下がったおかげで心拍にも余裕がある。しかし平坦や下りになると脚のダメージが深刻でなかなか思うように走れない。少しでも躓こうものなら、脚に予期せぬ力がかかって攣ってしまうだろう。2周目同様、下りで走れない分は上りで巻き返し、なんとか最低限のペースを維持する。美方高原のエイドまで来たが、これまた1,2周目同様にスルーした。林道出会いまでの上りは、今まではずっと歩いていたが、3周目は所々ランも織り交ぜていく。完走できるのはほぼ確実だったので、なるたけ全力を出し切ろうと、このあたりでスイッチが切り替わった。しかし兎和野高原へと続く林道の平坦路は、しっかり走りたい区間だが、脚の疲労で思うように走れない。キロ7分くらいのペースで、止まらない歩かないことだけを守りながら、半ばゾンビ化しながら走る。兎和野高原エリアの最初の下りは走れたものではない。とにかく躓いかないように早足で下る。兎和野高原エイドの手前5キロ地点あたりで、これまた優しそうなおじさんに声をかけてもらい、その流れで併走する。奥野さんという方でレース後にSNSを交換した。3周目はほとんど走れず、若干気持ちが切れかかっていたが、奥野さんの後をついて行ってるうちに次第に脚が軽くなっていくような錯覚にかかる。それにしても前を走る奥野さんはレース終盤にも関わらず足取りが軽い。兎和野高原エイドの手前2キロで付いていけなくなり、引っ張ってもらったお礼を言って別れる。エイドに倒れこむような形でピットイン。再びオートミールのおじやをいただく。相変わらず美味しい。温かいものを食べていくらか元気が出てきた。なによりゴールまであと約10キロという事実が気持ちを奮い立たせた。瀞川山の上りに差し掛かると、一気にギアを変えて加速する。次々と前方のランナーを抜かしていくのが面白くてしようがない。体力も脚も全く辛くない。最後の最後で一時的なランナーズハイに入っていたのだろう。先ほど別れた奥野さんも上りで抜き返した。ハチ北高原に接続する林道についた。気持ちは切れてないが脚は使い果たしていた。気持ちでどうこう出来るレベルではない。そうは言っても走らないことにはゴール出来ないので、とりあえず走る。もはや歩きと大差ないスピードだが、形だけも走ることに意味があるのだ。先ほど抜かしたランナーさんに次々と抜かされていく。ああ待ってくれと懇願したいところだが、必死なのは自分だけではない。それぞれ自分の今出せる力を絞り出している最中なのだ。そんなランナーさんを見ていると、自分も頑張らねばと思えてくる。他人との戦いではなく、自分との闘い。ここにトレイルランの魅力と真髄が詰まっているような気がする。やがて最後の難所、ゲレンデの下り坂に入る。もはや歩くよりも転がったほうが速い。膝が痛くてさぞかし不格好な歩き方になっていたに違いない。アスファルトから跳ね返ってくる衝撃が1歩1歩重みを増して、疲れ切った脚を容赦なく襲う。また後方から別のランナーさんがやってくる。かと思うとそれは奥野さんだった。ゴール手前で走ろうと声をかけてくださったが、全く走れない状態だったので先を行ってもらった。最後まで一緒に走れなかったのが悔やまれるが、やがてゴールゲートが目の前に現れると自然に笑顔がこぼれた。f:id:massto0421:20211129012803j:imagef:id:massto0421:20211129012258j:imagef:id:massto0421:20211129012102j:image

結果

1周目:5時間22分

2周目:6時間27分

3周目:6時間43分

レスト:42分

合計:19時間14分

総合順位:83位/378人中

クラス別:2位/7人中

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最後に

ハチ北観光協会さんはじめ、地元の方のご協力が本当に有り難かったです。宿から徒歩20分ほどの会場まで何度もバスを出していただいたり、レース中にいつでもランナーが体を癒せるよう温泉を解放してくださったり、至れり尽くせりでした。

また、レース中にお会いし励まし合ったランナーさんにも、この場を借りてお礼申し上げます。レース中に他のランナーさんとお喋りするのもトレイルランの醍醐味ですね。またどこかの山でお会いしましょう。

香美町最高!

サイクルモード大阪2021 インプレと雑感(2021/07/25)

サイクルモード大阪2021いってきました。毎年3月ごろに開催されてましたが、コロナの影響で今年は7月になったようです。場所はいつもの万博記念公園。9時10分ごろに到着しましたが、すでに行列が出来てました。それにしても待ってるだけで暑い…。登山用の折りたたみ傘を持ってきてたので、日除け代わりにするとだいぶマシです。試乗中は熱中症に気をつけないとね。写真見て気付きましたが「茄子アンダルシアの夏」でおなじみの、パオパオビールのジャージ着た方がいますね。(色々と複雑ですが)五輪でもロードレースが盛り上がったことですし、金曜ロードショーは早く茄子シリーズを放映してください。f:id:massto0421:20210725140009j:image

さてここからインプレです。ロードバイクグラベル系、折りたたみ・ミニベロ、子乗せ自転車などジャンルは様々。興味のある自転車だけ乗りました。ロードバイク編では六甲山を走ることをイメージして書いてます。記事の順番は上記の通りです。長文ですが、気長にスクロールしていただければ幸いです。

まずはロードバイク

[YONEX CARBONEX  サイズ:XS]f:id:massto0421:20210725142437j:imageヨネックスはテニスやバドミントンのラケットメーカーとして有名で、カーボンを扱う技術力は非常に長けているイメージがある。サイクルスポーツの「自転車道」というムック本にも、ヨネックスのフレーム作りの特集記事が掲載されており、設計から製造まで真摯にものづくりをされていることが良く分かった。軽量性を売りにしてるだけあり、漕ぎ出しの軽さ、ダンシング時の加速感は他のバイクと比較しても一段抜きん出ている。六甲山を走るなら表六甲や東六甲など、勾配のきつい坂道をリズム良くダンシングで登っていけば、バイクも素直に応じてくれそうだ。かと言ってペダリングの反動で足が吸われるということもなく、その辺はプリブレグの絶妙な積層加減を思わせる。気になった点を挙げるなら振動吸収性。細かい振動はいなしてくれるが、大きい段差を通過した際は振動がダイレクトに伝わってきた。長時間乗るのは疲れそうな印象を受けた。ともあれ国内メーカーという信頼感は、他の海外メーカーには替え難い利点である。ところで少し脱線するが、試乗車待ちにカツオさん、カツオクさんにお会いできた。六甲縦走キャノンボールランにご夫婦で出場されていると聞き、すごい人達がいるもんやな〜と隠れファンになった。中でも親不知から立山までの北アルプス縦走は、臨場感溢れるブログを読ませてもらい非常に面白かった。その旨を今回お伝えできたので良かったです。どうも有難うございました。

Panasonic ORCC22 サイズ:460mm]f:id:massto0421:20210725164924j:image使用パイプはカイセイの8630R。クロモリにニッケルを添加させることで強度が増すため、通常のクロモリよりも同じ強度を保ちながら肉薄に、つまり軽量に仕上げられる。フォークはカーボンだった。漕ぎ出しは重たいが、そのあと軽いギアのまま回していくと、スーっと伸びていくように加速して気持ちいい。振動も細かいものから大きいものまで、ストレスを感じない程度まで細分化してくれる。非常に乗り心地の良い自転車である。しかし登りでは車体の重さが効いて、脚を使わざるを得ない。その代わり下りでの安定感、すなわち直進安定性はピカイチで、東・西六甲の長いダウンヒルでも安心して身体を預けられそうだった。

[SPEEDCOG T&K NeoCozma サイズ:不明]f:id:massto0421:20210725165013j:imageバイクを俯瞰するとすぐに違和感に気づいた。溶接痕が無い!チタンフレームはTIG溶接でパイプ同士を接合するのが一般的で、その場合、必ずパイプのつなぎ目に溶接ビードが残るわけだが、このフレームにはそれが無く、滑らかなフィレット形状に仕上がられている。自分の愛車「AVEDIO BUCCHAS SL」のように溶接痕を研磨してるんかなぁと思い、スタッフさんに尋ねると「完全貫通溶接」という聴き慣れないワードが飛び出してきた。帰ってから調べても詳しい工法は分からず。企業秘密というやつか。この特徴的なフィレット形状がフレーム接合部の応力を分散し、クロモリで言うところのラグのような役割を果たすようだ。しかしパイプ同士の接合密度は非常に高そうで、ラグのように剛性不足といった心配は無さそうだ。気になるのは、この接合方法で果たしてフレームの中心が出るのかということ。いかんせん謎が多いフレームだ。気になる走行感だが、いい意味で裏切られた。思ってた以上にレーシーな乗り味で、踏めば踏むほどグングンと加速してくれる。それなのに、足に返ってくる反動はそこまで気にならない。「AVEDIO Venus RS」に金属フレームのカチっとした感覚を加えたようなフレームだった。f:id:massto0421:20210725165004j:imagef:id:massto0421:20210725165001j:imagef:id:massto0421:20210725165008j:image面白いのはフレームだけではない。ホイールにも秘密が隠されていた。リアホイールを空転させてもラチェット音がしないのだ。スタッフさん曰く、空転時は自動車のクラッチのように、フリーボディとハブのラチェットが離れた状態のため、完全にフリーになっているそうだ。なにそれ。ホイールのラチェット音は、当たり前だが、フリーボディとハブのラチェットが引っかかってカリカリと鳴っている。つまりどうしても抵抗が発生してしまうのだ。通常のホイールを前後とも空転させ、回転時間を計測すればその差は歴然である。ところがこのホイールは、リアもフロントのようにラチェットの抵抗を受けないまま回転する。確かに下りでも妙に伸びるような感覚があった。色んなパーツが出てるんだね。f:id:massto0421:20210725212811j:imagef:id:massto0421:20210725212844j:image

ここからはグラベル編。そこそこ走れて、かつ雑に扱っても壊れない堅牢性を持ち合わせたフルリジッドMTBが欲しいなぁ、と最近思い始めたので、試乗車もそっち系統が多いです。

[JAMIS RENEGADE S2 LTD サイズ 48cm]f:id:massto0421:20210725170529j:image使用パイプはReynolds 631。レイノルズ社が出しているパイプの中でも高級な部類。クロモリにマンガンが添加されている、いわゆる「マンモリ」というやつ。この言い方モッサリしてて嫌いなんだよなぁって個人的意見。ラレーの旗艦モデル「CRF」に採用されてるのが有名だろうか。添加物は違うものの、考え方は前述したカイセイ8630Rと同じで、要は添加物で強度を高め軽くしたいのである。で、乗ってみた感想だが、グラベルロード自体乗るのは初めてなので比較対象がなくインプレが難しい。正直に述べると幅広のタイヤが重くてしんどい、という印象が強かった。しかし加速するにつれて上手くスピードに乗り、平地を巡航するのは楽しかった。ダンシングでも思いのほか軽さを感じたのはパイプの恩恵だろう。良さを感じられなかったのは私の経験不足によるもので、いくらか比較対象や不整地での走行を経験していれば、もっと違った見え方があったと思う。

[TERN GRIT サイズ:480mm ]f:id:massto0421:20210725170535j:image最近の自転車情報を求め某チェーン店を訪れたところ、店内に目を引く自転車が置いていた。それがこの自転車。ternと聞くと小径車のイメージしか無かったが、こんな面白い自転車も出しているのかと驚いた。嬉しいことにサイクルモードでも試乗車があったので、ありがたく乗らせてもらった。うーん…重たい。重量12.3kgはロードバイクに慣れ切った身としては少々耐え難い。車体は重くても走りは軽い、という自転車もあったりするが、この自転車はなかなか厳しい。しかしレザーパーツやBMXハンドルバーの採用など、オールドなテイストを感じさせる外観はすごく好みだ。パーツのアッセンブル、特にホイールを交換すれば、走りも楽しめる可能性がある。もちろん今のままでも、10〜20kmほどの街乗りサイクリングであれば問題ない。これに乗って舞子公園あたりを走れば、さぞかし気持ちが良いだろうなぁ〜。

[fuji TALAWAH サイズ:19]f:id:massto0421:20210725170552j:imageサイズ19の“19”ってのはどこの数字から取ってるんだろうか。シートチューブ長は483mmなのでピッタリかと思いきや、やたらハンドルが遠い。それもそのはず、トップチューブ長は572mmで適応身長は180cm前後だった笑 そりゃそうなるわ。ってあれ?19ってシートチューブ長のインチ値か!ホイールベースが長めに設計されており、直進安定性は優れている。荷物をいっぱい積載させても安定感がありそうだ。加速感は5万円前後のアルミフレームのクロスバイクの様。1.75のタイヤを履かせてこの加速感はなかなか優秀なのでは。知らんけど。さっきのternよりかは走行性能よかった。色が好み。

[JAMIS SEQUEL S3 サイズ:19]f:id:massto0421:20210725170544j:imageこれも色が好みだわ〜、100点!と言いたいところだが、乗ってみないことには分からない。先ほどの2台よりも走行性能は抜群に優れている。走りの軽さを感じる。使用パイプは4130とカタログにあるのでクロモリだ。そして重量を見てビックリ。12.7kg!先ほどやや酷評気味だったternより重いのである。やはり自転車は奥が深い。パイプの素材は同じクロモリなんだけどね。ジオメトリーの問題かしらと調べたがternの方は2022年モデルのため、詳細は載っていなかった。話は逸れるが、この自転車の上位モデルに「SEQUEL S2」というモデルがあるが、パーツ諸々が違う他に、フレームのパイプが違う。S2はレイノルズの520を使用している。もし本当にフルリジッドMTBを買うならこれかな。

[EQUAL 機械式ディスクブレーキ]

自転車ではないが、個人的にサイクルモードで1番気になっていたブース。油圧式、EQUAL機械式、他社機械式ディスクブレーキが机に並べられており、それぞれブレーキングの感触を体感できる。油圧式はやはり引きの軽さが際立つ。それに比べ他社機械式はワイヤーの抵抗感と、ブレーキを握り込んだ時の遊びがある。対してEQUAL機械式はというと、ワイヤーの抵抗感はあるにせよ引きが軽く、何より握り込んだ時のカチッとした感覚が油圧式そのものだったのである。これには驚いた。目隠しをして握ったら油圧式と間違えてしまう。

f:id:massto0421:20210725220548j:imagef:id:massto0421:20210725220540j:imageスタッフさんに色々と尋ねて勉強になったことが多かった。まず機械式の両側ピストンは、かなり無理な設計をしていて、小さなキャリパーボディに左右独立した機構を詰め込む必要があるので、どうしても剛性不足になってしまうそうだ。アラヤのグラベルミニベロで、ブレーキングの感覚がキャリパーに近い感覚があったのは、その遊びに起因してるのかもしれない。EQUAL機械式は片側ピストンで、ピストンのカム機構を片側に集約できるので、その分、強度も十分に確保できるのだそう。それによってカチッとしたブレーキの感覚も生まれるらしい。なぜ他社の片側ピストンでそれが実現できないのかは分からない。しかし、片側ピストンと聞くと、ローターの歪みが気になるが、その点も考えられている。パッドの調整は左右で独立しているので、片側をローターの際まで近づけてあげれば、歪みはほぼ出ないと社内研究で調べがついているそうだ。キャリパーからディスクに移行する橋渡しとして機械式ディスクの需要は高まりそうだ。f:id:massto0421:20210725220554j:image

ここからは折りたたみ・小径車編です。以前からTwitterでフォローさせていただいてた星井さえ子さんの影響で、折りたたみ自転車も欲しいこの頃です。

RENAULT LIGHT8]f:id:massto0421:20210725183525j:imageこの自転車は、折りたたみ自転車の一大メーカー「DAHON」のOEM製品である。折りたたみ自転車は、折りたたみ機構の強度など、安全性でやや不安な要素があったりするが、その点では安心である。OEMなので値段が手頃なのも嬉しい。走ってみると、見た目通りの可愛らしい走行感。小径でチェーンリングも46tとそこまで大きくないので、平地を走るぶんには殆ど力を使わない。車体が軽いので坂道も楽に登坂できた。ただお察しのとおりスピードは出ない。目いっぱいクランクを回して時速20km出すのがやっと、という感じである。もともと速度は求めていない自転車なので問題ないだろう。むしろゆっくり走ることで、サイクリング中の新たな発見が得られるはずである。下りの安定感の無さもあるが、これは小径車全般に言えることなのでよしとする。要はスピードを出しすぎなければいいのだ。流石に神戸市内の激坂をこの自転車で下るのは些か不安だが…。f:id:massto0421:20210725183519j:image折りたたんだ状態はコンパクト!大きめのコインロッカーにも入るらしい。色々と行動のバリエーションが増えそうだ。18きっぷ電車旅のお供としてこの自転車を連れていきたい。海の見える駅、商店街のある駅、人気のない郷愁を感じる駅、気になった駅があれば下車してポタリング。あぁ、想像しただけでも贅沢極まりない時間だ。

[ARAYA muddyfox CXM サイズ:480mm]f:id:massto0421:20210725183514j:imageグラベルミニベロという変わったスタイルと、その他細かいディテールに惹かれて、一時期本気で買おうか迷った自転車。冷静に考えると乗る機会ないよなぁ、という結論に至りボツ。なお試乗は今回が初めて。小径車の苦手要素といえば、安定感、段差、振動、ということで、不整地を走るのはハッキリ言って向いていない。しかしそれでも商品として世に出すアラヤの心意気に胸を打たれる。グラベル化したことの利点は、安定感が増したこと。幅広のタイヤを履かせることで、ミニベロの弱点をカバーしている。ツーリング車としての使い方が向いてそうだ。ハンドル下や、リアホイール周辺の空間が広いため荷物を載せやすい。この自転車の面白いところは機械式ディスクブレーキが採用されている点。それもただの機会式ではなく、両側ピストン式のディスクブレーキである。その件はまた後で書くが、なんせ珍しいブツなのです。ブレーキングの感触はキャリパーブレーキに近く、ディスクが苦手とする細かいブレーキコントロールが出来る。走行性能は期待以上で、普通のロードバイクと遜色のない乗り味だった。もちろん巡行性には劣るものの、直進安定性やダンシングの感覚は違和感が無かった。やはりツーリング車としての使い道はアリだ。

つづいて子乗せ自転車編です。

[OGK ふたごじてんしゃ]f:id:massto0421:20210725194517j:image現行で出されている3人乗り(親1人子ども2人)の子乗せ自転車は、前の子乗せと、後ろの子乗せでそれぞれ年齢制限が違う。前は〜3歳、後ろは4〜6歳までなので、双子を2人とも乗せることは出来ないのだ。今まで気にしたことも無かったけど、言われてみれば困った問題である。そんな問題を解決するために作られたのがこの自転車。ご覧の通り、後ろに2台子乗せが付いている。このままでは安定性を欠くので三輪車になっている。ハンドルグリップのすぐ横にスイング機構のスイッチがあり、オンにするとカーブする際、車体が倒れるようになっている。駐輪して子供を乗せ降ろしする際は、スイッチをオフにすると車体が固定されるので、安心して作業できる。乗ってみた感想だが、三輪車の絶対に倒れないという安心感は素晴らしかった。ただやはりカーブする際や、急なハンドル操作は苦手とし、また別の怖さがあった。慣れの問題かもしれないが、とっさの対応は難しい気がする。

[OGK Camily]f:id:massto0421:20210725194507j:imageこちらは後付けタイプのサイクルトレーラー。後ろの荷台に延長ブラケットを装着すれば、大抵の自転車に取り付けられる。走ってみるとサイクルトレーラーの存在感の無さに驚いた。走っていても後ろにトレーラーがある事を感じさせない。少しトレーラーの様子を見ながら走ってみると、カーブでもしっかり後ろを追従してることが分かる。幅が狭いので内輪差などもなく曲がりやすい。f:id:massto0421:20210725194513j:imageトレーラーは簡単に脱着できるので、単体の使用も可能だ。例えば公園の駐輪場に自転車を停めて、トレーラーを外して公園内に移動したりも出来る。開発の経緯を聞いてみると、保育園用の布団の輸送をどうにか出来ないかという背景があったらしい。

日本の子乗せ自転車は、安全面で課題があると個人的に思う。3人乗り用の子乗せ自転車は、子ども2人を乗せた状態で、前カゴに荷物を入れられる仕様になっているが、それらが満載時に安全に移動できるかと問われれば、自分は全く自信がない。海外の子乗せ自転車は、ハンドルと前輪の間に荷台があり、荷物や子どもを乗せている。いわゆるカーゴバイクと呼ばれる自転車だ。低重心で非常に安定感のある乗り物だと思う。また、サイクルトレーラーのように、後ろに独立したチャイルドトレーラーを牽引するタイプもある。しかし、これらをそのまま日本に輸入するのも難しい。というのも駐輪場の事情が海外と日本では違うからだ。土地の狭い日本では、海外のように広い駐輪スペースを設けることは難しい。かといって、今の子乗せ自転車のカタチでは、いつか痛ましい事故が起きるような気がする。どうにかならないものだろうかと、色々考えさせられる1日でした。

常念山脈縦走②(2021/06/25,26)

今回の装備について。基本的には去年の中央アルプス縦走中央アルプス縦走①(2020/09/20,21) - 自転車で山、海へ行くから変わらないが、細かい部分は変更点がある。レインウェアは雨の日の自転車通勤で使い倒してたので、上だけモンベルのバーサライトジャケットに新調した。続いてクロスオーバードーム用のグラウンドシートを、SOLのエマージェンシーシートに変更。これは軽量化とサイズダウン目的である。シェルター内の敷物も、銀マットからタイベックスのシートに変更した。雨が降ることは明らかだったので、防水性を高めるため念入りに対策を講じた。そして、雪渓が残っている箇所があるので、軽アイゼンも追加。総重量は水抜きで9kgである。f:id:massto0421:20210710133841j:imagef:id:massto0421:20210710133239j:image

9:30 中房温泉出発

水を含めると約11.5kgでなかなか重たい。ここ1ヶ月間、重さになれるために9kgほどの重量を背負って山に入るように心がけていたが、それでも2.5kg増すと全然違ってくる。経験則では8kg以上になると途端に走れなくなるので、もう少し軽量化したかったが、これ以上削ると今の自分の実力では安全に支障をきたすので諦めた。f:id:massto0421:20210714204615j:image

中房温泉から常念山脈の稜線に取り付く合戦尾根は、北アルプス3大急登のひとつであるが、名前負けしている感は否めない。確かに急登であることには違いないのだが、登山道はよく整備されており歩きやすいコースとなっている。この尾根を登るのは3回目、つまり私の北アルプス山行は全てここを起点としてきた為、勝手知ったる道であり、精神的な余裕もこの時点ではまだまだある。しかし一つだけ懸念事項があった。空を見上げると雲の切れ間から太陽が顔を出し、登山道を燦々と明るく照らしている。普通は晴れると嬉しいものだが、あまり天気が良すぎるのも困ったものである。というのも、日光によって気温が上昇すると、午後からの天気の崩れ具合が酷くなる可能性があるからである。特に夏場は何といっても雷が怖い。遮るものが何もない2500m以上の稜線で雷に遭えば、ひとたまりもない事は容易に想像できるだろう。近くに山小屋があればいいのだが、無ければせいぜいハイマツの影に身を潜めておくぐらいしか対応できない。勿論そうならない様に、空の様子を伺いながら、稜線の途中で雷に遭わないよう行動するのが一番の対策であるが。とにかく、これ以上晴れてくれるなよと願いながら尾根を登っていった。

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10:50 合戦小屋

標高2200m付近にある合戦小屋まで来ると、いよいよアルプスに来たという実感が持てる。登山口よりも気温が下がったことをはっきりと実感でき、周りの風景も木々が少なくなり荒涼とした様相に変化する。霧が立ち込めてくるのも大体この辺りで、前述したような雰囲気を助長させる一因となる。f:id:massto0421:20210714204656j:image

疲労感はあまり無かったがお腹が減ってきたので、ザックを降ろし、補給食で持ってきたライトミールを一袋取り出して歩きながら食べる。ライトミールというのはイオンのプライベートブランドとして販売されているカロリーメイトのようなものだ。1本あたり100kcalとカロリーが高く、キリもいいので計算しやすい。1箱4本入り(1袋2本入り)で値段は120円なので、本家よりお財布に優しいのもありがたい。今回は4箱、つまり16本持ってきた。

話は戻るが、合戦小屋から少し先を行くと、登山道のわきに所々雪塊が残っており、この先まだまだ雪渓が残っているのではないかと少し不安になった。それにしても、標高2300m以上にもなると、空気の薄さが徐々に身体的反応として現れ始める。登り始めと同じペースで登ろうとしても息が切れやすくなる為、自然とペースは落ちる。ここで無理に同じペースを維持しようとすると、高山病のリスクも高まるのだろう。そんなことを考えている内に、早くも稜線上の燕山荘が見えてきた。

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11:30 燕山荘

最後の急登を上りきり稜線に出ると、眼前に広がる風景に思わず息を呑んだ。荒々しい岩壁に雪化粧を施した裏銀座の山々の、毅然たる姿がそこにあった。2年前の晩夏、初めてこの地に立った時もその風景に感動したものだが、厳しい冬の面影を残した北アルプスの一面を見られたことに、新鮮な感動を味わえたのである。

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「あぁ、来てよかったなぁ。」と、小さく呟いた。私はひとりの時、自然が織りなす人知の及ばない風景に出会うと、その感動を心に押し留められず、口に漏らしてしまうことが度々ある。心の奥底から湧き出す衝動に駆られ、燕山荘にザックをデポするや否や、燕岳の方へ稜線を駆けた。花崗岩が風化し地面に積もった砂礫の、足裏に伝わる感触が六甲山を思わせる。しかし周りの風景は北アルプスそのものであり、浮き足立つのは心だけでなく、足取りもまた軽やかになる。

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11:45 燕岳(標高2763m)

北アルプスの女王と呼ばれるように、なだらかな稜線上に花崗岩の白い岩肌が目立ち、凛とした女性を連想させるような山容である。心配していた天気だが、雲がほどよく空を覆っており、雷の兆候は見られなかったので安心した。

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感慨に耽るのもそこそこに、すぐ山頂を後にした。燕山荘にデポしていたザックを再び背負い、大天井岳の方へ歩いていく。燕岳から大天井岳への道のりは、少し距離はあるものの、緩やかなアップダウンが続き歩きやすい。何より右手に見える裏銀座の山々や、徐々に近づいてくる槍ヶ岳に目を奪われて疲れも忘れてしまう。その度に私は立ち止まることを強いられ、ついつい写真を撮ってしまうのだった。

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燕岳と大天井岳の中間あたりに位置する蛙岩を過ぎたあたりだったろうか、少し先のハイマツの影で何かが動いた。それは暫くすると登山道にひょっこりと姿を現した。ライチョウである。身に纏った黒色の斑模様をした夏毛、鮮やかな朱色をしたまぶた、雪渓を思わせるような白い腹、それぞれ自然に溶け込んだ体色のコントラストが美しかった。ライチョウは警戒心の強い野鳥だが、長らく天然記念物として保護されていたため、人に対しての警戒心は薄い。このライチョウも、私の姿を確認しても逃げる様子はなく、登山道を案内するように私の数m先をトコトコと歩いていった。

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常に暴風雨と吹雪の危険に晒されている標高2500mの稜線上は、人間が生きていくにはあまりに厳しい環境である。しかしそれはあくまで私たち人間からの視点に過ぎず、ライチョウにとっては、より生存率を高め種を残していく為には、この過酷な山岳地帯で生きていく方が賢明だと判断した訳である。一体どちらの世界がより安全で平和的と言えるのだろうか、逞しく北アルプスで生き抜く野生動物の健気な姿を見ていると、そのような疑問が頭の中を浮遊するのであった。