自転車で山、海へ行く

山、海、街、自転車、船、本のこと

中央アルプス縦走①(2020/09/20,21)

木曽山脈、いわゆる中央アルプスの谷間を縫うように走るJR中央本線の終電には、私を含めて3人しか乗客がおらず、車内にはただただ心地良い列車の走行音が響くだけであった。そのせいかいつの間にか寝入ってしまい、気づけば降りるはずだった原野駅は過ぎていて、一駅先の木曽福島駅まで来てしまった。f:id:massto0421:20201225191704j:image

木曽路はすべて山の中である。

島崎藤村『夜明け前』の有名な書き出しの通り、駅から出ると辺りには中山道の宿場町があるにせよ、その四方八方はすべて山に囲まれていた。私は当初下車する予定だった原野駅まで5kmの道のりを歩くことにした。まだ山行が始まっていないのにこの体たらくでは先が思いやられる。時刻は深夜0時をまわっており、早く落ち着ける場所で眠りにつきたかった。

今回の山行の目的はTJARの中央アルプス区間の試走である。TJARとは、富山県魚津市日本海から静岡県静岡市の太平洋まで、日本アルプスを縦断しながら8日間で走りきる山岳レースである。中央アルプス区間は、

原野ー木曽駒ヶ岳ー宝剣岳空木岳駒ヶ根 

というコース取りで、距離は約40kmほど。TJARの総距離は415kmなので、中央アルプスの山岳区間はその10分の1しか満たさない。数字だけ見れば大したことないが、中央アルプスは全体に渡って岩稜帯が続くため、北アルプス剱岳槍ヶ岳に次いで危険な区間とも言える。

9/19の夕方に大阪駅から高速バスに乗り、みどり湖ICで下車。その後、塩尻駅からJR中央本線の終電に乗って今に至る。原野駅の待合所で寝るつもりだったが、駅の手前に「道の駅 日義木曽駒高原」があったのでそちらで寝ることにした。気温は15度で寒くなく、テントを設営するのも面倒だったので、ベンチにタープを建てた簡易東屋のような所で横になって寝た。f:id:massto0421:20201225191623j:image

ここで今回の装備を少し紹介。基本的には前回の燕岳ビバーク訓練と同じ内容である。クロスオーバードームは専用の袋に入れず、大きめの真空パックに詰め込んだ。畳んで空気を抜いてきつきつの袋に入れる手間がなくなるので、雨の中でも素早く撤収できる。携行食は、いつもなら大量にカロリーメイトを買い込むのだが、今回はオリジナルのトレイルミックスを100均のプラスチックボトルに入れて持って行った。オリジナルと言っても柿ピーとフルグラを入れただけなのだが、これがなかなか美味しい。水を含まない総重量は8.7kgになった。

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9/20 4時に起床した。結局寝られたのは3時間だったが、今からTJARのコースを辿れることを考えるだけで気持ちが高揚し、睡眠不足による身体の不調などは全く感じなかった。f:id:massto0421:20201225201222j:image

4:50 原野駅を出発。まだ日は出ておらず空模様はわからなかったが、星が見えないので曇っているのだろう。やはり晴れて欲しかったが秋雨の季節に雨が降らなかっただけでも良かった。原野駅から登山口までは約7kmほどあり、別荘が建ち並ぶ木曽駒高原の道を淡々と上がっていく。f:id:massto0421:20201225201137j:image

1時間半ほど歩きようやく登山口に着いた。水場があったのでボトルの水を入れ替え、トレイルミックスを頬張り準備は万端である。とにかく無事に駒ヶ根にたどり着けることを祈り山行を開始した。f:id:massto0421:20201225201131j:imagef:id:massto0421:20201225201125j:image