茄子がままに

週末の山遊び、街遊び、自転車遊びのこと。ホームマウンテンは六甲山です。

その線は水平線(2021/12/30)

7時半ごろに起床。こんな時間まで寝たのは久しぶりで、いつまでも布団に入っていたい気分。しかし旅館の朝ごはんが7時半からなので急いで起きる。他の3人も眠そうにしながらゾンビのようにむくりと起き出した。窓には燦々と水面輝く宍道湖が枠いっぱいに広がっていて、とても清々しい気持ちになれた。白波が立っている様子から風の強さが伺える。f:id:massto0421:20220104195257j:image

朝ごはん。写真を撮り忘れたが、しじみ汁が美味しかった。しじみ汁だけでご飯3杯は余裕で食べられそうである。あと明太子が美味しかった。朝ごはんのシメは、ご飯に明太子と温泉卵を乗っけてご馳走様でした。やー幸せだぜ。

今日の目的地は出雲大社。チェックアウトを済ませて、一畑電車の「しんじ湖松江温泉駅」へ。列車に乗りこむと座席が中途半端に空いていたので、自分は1人、向かいに他3人というかたちで座った。しばらく乗っていると不意に、向かいに座る3人の背後に宍道湖が流れていく。鈍色の空としずかな湖は、日本海側の鬱屈とした冬の空気感を象徴するような淋しい風景だった。身体をくねらせて窓を眺めようとする3人の姿が絵になって、思わずいい写真が撮れた。f:id:massto0421:20220104195332j:image

出雲大社前駅」の駅舎はチャペルのようなデザインで、窓にはめられたステンドグラスや、装飾の凝った照明が美しい。外観も同様である。f:id:massto0421:20220103203045j:imagef:id:massto0421:20220103202944j:image

出雲大社につながる参道を上っていくが、参道沿いのお土産屋に俗っぽさがあり、せっかくの歴史ある出雲大社の雰囲気を壊してしまっているように思われた。最近の観光地にありがちな話である。一行は出雲大社の手前で横道に逸れ、「神迎えの道」と呼ばれる道を日本海側に歩いていった。こちらは先ほどの参道とは対照的に、昔ながらの下町感が残っていてよかった。出雲そばの人気店が道路沿いに点在しており、11時半ごろにも関わらずお客さんが列をなしている。ここでお昼ご飯も考えたが、これからの用事を済ませてからにした。そのまま歩いていくと下り坂の先に海が見えた。遠目に見ても日本海は大荒れも大荒れで、静かな下町にざっぱんと波しぶきの音が響いている。こころの故郷である浜坂の町が懐かしく思えた。f:id:massto0421:20220104195408j:image

海岸に出ると想像通りごうごうと風が吹き荒れていた。砂浜の砂が飛んできて目に入りそうになるので、満足に目も開けていられない状態。服も当然砂まみれで、みんなギャアギャアと叫びまわる。今となってはそれが楽しい想い出だ。打ち寄せる波と戯れながら小学生のようなはしゃぎ方をした。海に来たのは出雲大社に「稲佐の浜」の砂を奉納するため。御朱印巡りの趣味をもつ友人いわく、砂を出雲大社に奉納する代わりに、誰かが奉納した砂を持ち帰ると厄除けになるんだとか。というわけで、この友人が用意してくれたジップロック稲佐の浜の砂を入れて日本海をあとにした。f:id:massto0421:20220104195440j:imagef:id:massto0421:20220104195500j:image

出雲大社へ向かう途中で「出雲の阿国」のお墓に立ち寄った。歌舞伎の創始者として知られる。現在、歌舞伎役者は男性に限られているが、阿国は女性である。どのような経緯で歌舞伎役者が男性に限定されていったのか気になるところである。

出雲大社を参拝する前に腹ごしらえを。「そば処 田中屋」という出雲そばのお店に入った。出雲そばは割子そばが有名らしいが、なんせこの日は雪のふる寒い日だったので、あったかい「とろたまそば」を頂いた。しっかりとコシがあり、蕎麦の風味を豊かで美味しかった。f:id:massto0421:20220104195525j:image

腹ごしらえもしたのでいよいよ出雲大社へ。先ほどの友人について行き、正しい参拝の順序を教えてもらう。そもそも参拝の順序があることを知らなかったので驚いた。稲佐の浜で集めた砂は本殿の裏手にある「素鵞社」に奉納する。もちろんジップロックに砂を入れ替えて目的を果たした。これら一連の参拝方法はいったい誰が考えたのだろうか。神社の商業的な策略が見え隠れしているような気もするが、それを言うとバチが当たりそうなので口に出さないでおいた。普段から信仰心が全くない(強いていえば保久良神社くらい)ので、色々と腑に落ちない点も多かったが、あまりない経験でもあるので何だかんだで楽しかった。f:id:massto0421:20220104195606j:image
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とにかく今年も年の瀬にふさわしい楽しい思い出がつくれて何よりである。一緒に旅行してくれた友人たちには感謝の気持ちでいっぱいだ。今回来れなかった2人も加えて、いつか6人揃ってどこかへ出かけたい。その日が来ることを僕は心待ちにしている。それまでに何かしらめでたい報告が出来るよう頑張っていこう。