自転車で山、海へ行く

山、海、街、自転車、船、本のこと

年の瀬全山縦走(2021/12/31)

2021年を締めくくるために六甲全山縦走へ。本来なら須磨もしくは宝塚からスタートするのがセオリーであるが、電車移動が面倒なので本山スタート。12/16の奈良マラソン以来まともに走っていないので、すぐに息が切れる。おまけに先週、霊仙山の帰りにドブに落っこちて打撲した右太ももが未だに鈍痛を抱えている。今日は少し辛い山行になりそうだ。天上川公園から保久良山まで一息で登り、いつも通り保久良神社の横にある小屋で毎日登山の記帳をした。ハンコ当番でいつもお世話になっているお婆ちゃんがモンロワールのチョコレートをくれた。会うたびにいつもお菓子や果物をくれてありがたい。後々しんどくなるのは嫌なので、保久良山から風吹岩まではゆっくり登る。風吹岩についたとき、空は夜明け前で生駒山方面が徐々に光を帯びている。

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横池の分岐を過ぎたあたりで物騒な掲示が。11月に保久良山と風吹岩の間で“クマらしき”動物の目撃情報があったらしい。これを見た瞬間「絶対イノシシやろ!!」とこころの中で突っ込んでしまった。6月に芦屋の城山あたりでクマが出没したニュースは衝撃的で記憶に新しいが、「保久良山と風吹岩の間」という場所柄、イノシシの可能性が高いのではないか。現にここ1ヶ月のあいだ3回ほど風吹岩を訪れたが、決まってクマのようなイノシシが風吹岩のあたりを彷徨いていた。まあ何はともあれ注意深くなるのは悪いことではないので、頭の片隅に置いておくことにした。
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太ももの鈍痛と、夏ごろから出始めた足底筋膜炎による踵の痛みで気持ちよく走れない。それでも日の出の時間になると、周りの木々が茜色に染まり始め、日光による温度差で生じた風が森をざわめかせ、これからの素晴らしい一日の始まりを予感させるのである。僕はこの瞬間が何よりも好きで、たびたび夜明け前から山に分け入るのである。f:id:massto0421:20220104204351j:image

本山から1時間45分で六甲山最高峰に到着した。体感的に2時間かかるかと思ったが、案外早くついたのでホッとした。太陽がまだ海面の近くにある時間帯は大阪湾に反射した日光が輝きとても綺麗だ。日が上りきっていないので気温が低く、水蒸気が少ないおかげで和歌山の方まで遠く見渡せるのも、早朝にしか味わえない魅力的な景色である。この日は摩耶山方面もよく見渡せてなかなか良かった。余韻もそこそこに縦走を開始する。f:id:massto0421:20220104204615j:imagef:id:massto0421:20220104204620j:image

それにしても山上は寒い。かといって着込んでしまうと走るうちに暑くなってしまうので、結局のところ下は半ズボンにカーフ、上はTシャツにウインドブレーカー 1枚羽織るいつもの服装となってしまった。大晦日なので山上はいつもの賑わいがなく静まりかえっている。自動車もほとんど走っていないので、わざと車道の真ん中を走ったりして楽しみながら走った。ゆるゆると走ったつもりだったが、摩耶山には家を出てから約3時間で到着。この調子だと8時間で全縦を終えることになりそうだ。f:id:massto0421:20220105115747j:image

特にこれといって用事もないので、あんパンとチョコレートを食べて直ぐに摩耶山を後にした。天狗道の下りはテクニカルなので注意を要する。寒さのせいか身体の硬さを感じるので、いつも以上に慎重に下った。市ケ原に着くまでに2,3グループの登山者とすれ違った。f:id:massto0421:20220105120108j:image

全縦のやく半分にあたる市ケ原に着いたものの殆ど疲労を感じない。これまた寒さの影響で、疲労や痛みに鈍感になっていると思われる。体感に惑わされないように、依然としてゆっくりペースを意識する。

市ケ原から鍋蓋山に至るまでの尾根道は、全縦のコースの中でも特にお気に入りの区間である。緩やかなアップダウンで走りやすいし、展望がいいので神戸市街地を見下ろしながら走るのが気持ちいい。今回のように逆縦走する場合はこれから走る山々が遠望できるのも高揚感を掻き立ててくれる。この日も気分よく市ケ原から天王吊り橋まで一気に駆け抜けた。f:id:massto0421:20220105120637j:image

天王吊り橋から菊水山への登り返しは、斜度はきついものの距離は短いので、あっという間に山頂に到着する。10時ごろで菊水山の山頂には割と人がたくさんいて、思い思いに緩やかに流れる時間を過ごしていた。f:id:massto0421:20220105121447j:image

鵯越駅まで下りてきたが、この辺りで足の疲労を感じ出した。特に以前から調子の悪かった左膝の外側がときおり痛む。これはまずいなと思い、丸山市街地はのんびりウォークに切り替え。歩いていると雪がちらつき始め、同時に風も出始めて寒かった。

妙法寺あたりで友人と合流する予定だったが、当初伝えていた時間より1時間半も早く着きそうだった。その旨を友人に連絡して高取山を目指す。高取山では前日に高齢の方が風に煽られて、山頂付近の展望台から崖下に落下し亡くなられたそうだ。思いもよらない形で事故が起こってしまうのが山である。高取山といえば加藤文太郎も山で命を落としたうちの一人だ。最近になって谷甲州『単独行者』を読んだが、文太郎が山へのめり込んでいく様は異様だった。また後々本の感想を書こうと思う。f:id:massto0421:20220105121421j:image

横尾団地のバス停で友人と落ち合う予定だったが、自分の方が早く着いてしまった。じっと待っておくのも寒いし、先を急ぎたい気持ちがあって、横尾山の登山口までゆっくり歩くことにした。登山口につき10分ほど待っていると友人が走ってきて合流したので再び進み始める。横尾山は逆縦走の場合、最後の難関となる。急登が多いので疲れた足には堪えるのだ。友人を待っている間に休憩できたので、この日は幾分か楽に急登を乗り越えられた。馬の背につく頃には吹雪始め、花崗岩が剥き出した須磨アルプスの迫力が増している。稜線上も風が強く、スリリングな岩歩きを楽しめた。f:id:massto0421:20220105205347j:image

栂尾山の階段を下ってる最中、とうとう左膝が痛くてまともに下れなくなってきた。横歩きでなんとか下まで来れた。おらが山の階段を登り切ればゴールの須磨浦公園までは目前だ。もしおらが茶屋が開いていたらカレーを食べようかとも思っていたが、大晦日なので閉まっていた。旗振山に到着。明石海峡が美しい。須磨浦公園までの階段下りは割と辛い目にあった。とにかく膝が痛い。怪我はしたくないなぁと思っていたが、やらかしてしまった。誤魔化しながらようやく須磨浦公園に到着した。タイムは7時間39分と、そこそこいいペースで年の瀬全縦を走りきった。f:id:massto0421:20220105205306j:imagef:id:massto0421:20220105205808j:image

今年もたくさん遊ばせてもらった六甲山に感謝。これから自分でできる範囲で、少しずつ六甲山に恩返ししていきたい。f:id:massto0421:20220105205526j:image

帰りに「松乃家 板宿店」で食べたカツカレーがめちゃくちゃ美味しかった。