正月明けに関東に引っ越してきてちょうど3ヶ月経った。引越し早々に風邪をこじらせてしまい、転職先での仕事初めは這々の体であった。ようやく風邪が治ったと思えば、今度はアトピー性皮膚炎が悪化し3日ほど会社を休む羽目にもなった。人に顔を出すのも憚れるくらい悪化したのは初めてのことである。食生活の乱れや、環境が新しくなったことによるストレスと疲労が蓄積していたのだろうと思う。幸いなことに近所に頼れる皮膚科があり、処方してもらった薬で事なきを得た。
関東には学生時代の友人や、昨夏いっしょに山小屋で働いた友人がいる。休日に友人たちと会ってる間は素の自分でいることができ、精神面でどれほど助けられたか分からない。そしてみんな、それぞれの悩みを抱えながらも頑張って生活を続けている。それは当たり前のことだけど、メンタルが落ち込むほどに視野は狭くなり自分のことしか考えられなくなる。だから皆それぞれの事情でそれぞれに頑張っている姿を見て、大変なのは自分だけではないのだという事実を知ることが、日々を生き抜く活力を生み出してくれた。
今住んでいる相模原市はそれなりに自然が豊かである。街からは丹沢山地の一塊を眺めることができる。今年は春になっても寒さが残り、丹沢の山肌は遅くまで雪が残っていた。ほとんどの休日は自転車を走らせたり、電車に少し乗って山に向かい、自然を満喫して過ごした。平日の山は静かなもので、少しマイナーなルートを歩けば終始誰とも会わないことも多々あった。雨の日は自宅から歩いて図書館に行き、本を借りれるだけ借りてザックに詰め、駅前のファストフード店でコーヒーを飲みながらひたすら本を読むのが定番化している。図書館の近くには市立博物館と、JAXA相模原キャンパスがあり、両方をめぐる休日もあった。
3ヶ月経ち仕事もようやく慣れてきた気がする。もちろん日々新しく覚えるこどだらけで、まだまだ勉強中の身ではあるが、仕事の流れは掴めるようになった。自身が勤める自転車店は販売店だけでなくメーカーとしての側面もあるため、自転車の組み上げにしても、自転車修理の依頼にしても、正確さを何よりも求められる。人の命を預かっている自覚を常に置いておくので休憩中以外はまったく気が抜けない。そんな環境だからこそ、この職場で数年働けば、メカニックとして、またビルダーとして成長できるという確信がある。
4月に入り、自宅周辺の桜並木は満開になっている。その桜を見て地元のことを思い出した。裏山の桜はもう咲いているだろうか、近所の家の庭の立派な桜は、灘の桜のトンネルは、動物園の桜は。そんなことを考えていると、偶然にも地元に住む友人から満開になった桜の写真が送られてきた。
