茄子がままに

週末の山遊び、街遊び、自転車遊びのこと。ホームマウンテンは六甲山です。

小豆島ライド(2022/12/3,4)

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高専に行っていたころは週2くらいの頻度で実家から25km先の学校まで自転車で通っていた。冬場は家を出てもまだ薄暗く、HAT神戸のなぎさ公園で夜明けを迎えるのが常だった。そんなことを思い出しながら、同じ季節、同じ場所、同じ時間帯に夜明けを迎えた。いつになっても変わらない美しい風景が日常にある。それを教えてくれたのは自転車だった。
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新港第二突堤の右岸にはジャンボフェリー「あおい」が停泊していた。1989年に就航した「こんぴら2」が今年12月に引退するということで、10月に就航したばかりの新船である。基本的な構造は「こんぴら2」と変わらないが、大きさは「こんぴら2」の3633トンに対し「あおい」は5200トンと約1.4倍の大きさになっている。また左岸には同じく10月に就航したばかりの宮崎カーフェリー「ろっこう」が停泊していた。就航時期が「あおい」と同じなので、まるで幼馴染のような存在である。
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友人のF君、O君と合流し船内に乗り込んだ。まず目についたのはガラス張りになったサイクルピットである。従来であれば自転車をそのまま持ち込む際は車両甲板に停めていたが、「あおい」は客室と同じフロアにあるサイクルピットに停めておける。料金は800円。輪行袋に入れて手荷物として持ち込む場合は無料であるが、サイクルピットは利用できないので注意。

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“瀬戸内海に浮かぶテラスリゾート”というコンセプトどおり、船内のエントランスやレストランの内装は上品で洒落ている。展望デッキには円形の芝生広場があったりして、天気の良い日はそこで寛ぐのも気持ちがいいだろう。フェリーに乗ること自体、非日常的でワクワクするイベントであるが、そのワクワク感を増長させるような仕掛けが様々な箇所で見受けられた。
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明石海峡大橋を過ぎたあたりで12月に引退する「こんぴら2」とランデブー。我々3人は展望デッキに立ってめいっぱい手を振った。

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約3時間の船旅が終わり小豆島に上陸した。今回は1泊2日でマメイチ+小豆島最高峰の寒霞渓に登る予定だ。1日目は坂手港から反時計回りに走り土床町の宿まで向かう。距離は55kmほどであり、ゆっくり走っても時間は充分あった。
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マメイチの距離は80kmほどであるが、アップダウンが多いためそれなりに走りごたえがあると人から聞いていたとおり、走り始めから急登が連続した。

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8kmほど走ったところで少し遅めの昼食をとった。Googleレビューによると「食事処うめもと」は穴子丼が美味しいらしいので私も頼んだ。穴子自体なかなか食べつけないので比較できないが美味しかった。
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穴子丼によって刺激された満腹中枢で我々一向はさらにペースダウン。ほどなくして、エンジェルロードのように砂浜がかろうじて繋がっている小島があったので寄り道してみた。城ヶ島というらしい。我々は高専生活によって失われた青春を取り戻すかのように砂浜でキャッキャウフフした。ふと時計を見ると時刻は15時。坂手港をスタートしてから3時間が経過したにもかかわらず、未だ15kmほどしか進んでいなかった。小豆島にゆるりと流れる“島時間”にペースを掌握されていた。

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その後も“島時間”に流されながら寄り道に寄り道を重ね、土床の宿に着いたのは日没後の19時ごろだった。
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2日目、土床の宿をあとにして寒霞渓へ。寒霞渓のヒルクライムルートは東西南北で分かれており計4ルートある。そのなかでも最難関と噂される西ルートを選択した。決して我々が激坂を好んだわけではなく、宿の立地上、西ルートを選択するのが合理的だったに過ぎない。西ルートの概要は以下のとおりである。距離7.2km 平均斜度8% 最大斜度18% この数字を見ると東六甲ドライブウェイより距離は短いものの、平均斜度は少しきつくなっている。まぁゆっくり行けば大したことないだろうと思っていたが、走ってみると体感的には東六甲よりキツかった。f:id:massto0421:20230711182912j:imagef:id:massto0421:20230711182917j:image

やっとの思いで寒霞渓のロープウェイ山頂駅に着いた。標高は600mほどあり流石に寒い。折角なのでここから小豆島最高峰の星ヶ城山(816m)まで歩くことになった。
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星ヶ城山からは寒霞渓と瀬戸内海が一望できた。期待していた紅葉はピークを過ぎていたが、寒霞渓の奇岩群と相成る風景はここでしか見られないものだと思った。山頂の滞在もそこそこに下山。ロープウェイ山頂駅から表ルートで小豆島町の方へ下った。
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昼食で訪れた「桃福」のラーメンがとても美味しかった。背脂が入ったスープは尾道ラーメンに近いが、脂っこい感じはなくバランスの取れた味付けだった。寒霞渓で冷えた身体があったまった。
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フェリーが来るまで時間が余っていたのでマルキン醤油記念館を見学。このあたりはマルキン以外にも沢山の醤油蔵が軒を連ねており醤油の香りが漂っている。記念館では蔵を見学したり小豆島通の友人におすすめされた醤油ソフトを食べたりした。
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そんなこんなであっという間に小豆島ライドが終わった。帰りも「あおい」に乗船。500円を払って足湯テラスに入り、疲れた脚を癒しながら小豆島ライドの楽しみを振り返った。神戸からフェリー1本で行ける小豆島だが、訪れるのは今回が初めて。夜行便に乗れば日帰りでも十分楽しめるため、淡路島に飽きてしまったサイクリストにはぜひ訪れてほしい。
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