一昨日、渋谷のライブハウスでカネコアヤノとくるりの対バンがあり東京に来ていた。ライブ以外にも、前から気になっていた自転車工房にお邪魔したり、田端のアマンダスポーツで自作ランドナーフレームの仕上げをしに行ったりと色々用事があったが、今日の午前中は予定が無かったので高尾に来た。高尾に行くときはいつも八王子の快活クラブで前泊する。
高尾山は週末になると観光客や登山者でごった返し状態になるので、人混みを避けるために早朝に訪れた。八王子からの始発電車に乗り、高尾山口駅で降りた乗客は10人にも満たなかった。
今回は高尾山から陣馬山まで縦走し、相模湖のほうに下山する予定。高尾山は登ったことがあるが陣馬山は初めて。
高尾山口駅から1号路を登る。途中の展望台で綺麗な朝日が見られた。ほどよく気温も低いので空気が澄んでいて気持ちいい。
又吉直樹のエッセイ集『東京百景』で、又吉さんがロケで高尾山に訪れたときの話がある。又吉さんほど天狗に愛着は無いが、確かに薬王院のあたりでは木の上から天狗に見られている感覚はあった。
以前、高尾山に来たときは雨が降っていて富士山は雨雲に隠れていたが、今日は丹沢の山々の奥にその姿を見ることができた。富士山は人が多いうえに、最近では弾丸登山や山小屋問題などあまりいい話を聞かないので登りたいとは思わないが、眺める分には美しい山である。直線距離にして100km以上あるというのに、富士山の存在感は圧倒的だった。
高尾山から陣馬山までは緩やかにアップダウンを繰り返し、走りやすいシングルトラックが続く。登山道はよく整備されていて、人気の理由がよく分かる。紅葉を期待していたが、まだ少し早かった。ただ少しずつ色づいてきているようで秋が近づいている気配はあった。
城山では天狗が出迎えてくれた。天狗に会いたかったので嬉しい。又吉さんが言っていた天狗の気配の正体はこれだったのかもしれない。城山には茶屋があり、地元の人らしきご老人が休憩されていた。
続いて景信山に到着。山頂からは相模湖の青い水面がチラッと見えた。城山と同じように茶屋がある。
陣馬山には8時前に到着した。高尾山口駅を出発したのが6時前なので約2時間。思ったよりも早く着いたので山頂のベンチに座り、ザックからパンとコーヒーを取り出してのんびりとモーニングを楽しんだ。陣馬山の山頂にはSNSでよく見かける馬のモニュメントがあった。私は心が汚れてるので、卑猥なカタチしてるなぁと訝しげに見つめながらパンを食べた。
陣馬山からさらに奥に聳えるのは生藤山。山頂付近の木々はうっすらと赤みがかっており、秋が近づいていることを感じさせる。
南西方向には富士山がはっきりと見えた。今まで見てきた山のなかでもやはりその存在感は特別である。この景色を眺めながらのモーニングは贅沢極まりない。朝が早かったこともあり、陣馬山には数人のハイカーとトレイルランナーしかいない。人が少ないのも功を奏した。
1時間ほど山頂に滞在して満足したので、相模湖方面に下山。下山中にたくさんのハイカーとすれ違った。皆さん秋晴れのなか快適な登山を楽しんでおり表情が良かった。
沢井川沿いに相模湖まで降りてきた。ここからJR相模湖駅まで国道20号線のロードを走ったが、交通量が多いうえに歩道が無い区間もあり危険を感じた。今度同じコースを走るなら別ルートを考えたい。