茄子がままに

週末の山遊び、街遊び、自転車遊びのこと。ホームマウンテンは六甲山です。

六甲有馬ヒルクライムフェスタ(2022/09/11)

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六甲山でヒルクライムレースが開催されると聞き、すぐさまエントリーした。過去に六甲山でヒルクライムレースが開催されたのは10年以上も前のことである。記憶が定かではないが、そのレースではビーナスブリッジから摩耶山掬星台までのコースを、TT方式で競うレースだったようにおもう。六甲山のヒルクライムコースはおおまかに表、裏、東、西、再度の5つがあるが、どこも自動車や二輪車の交通量がそれなりに多く、道路を封鎖するとなるとそれなりに大がかりな準備となるだろう。そんな経緯もあり、過去の六甲ヒルクライムレースは一度きりの開催となってしまった。

今回の「六甲有馬ヒルクライムフェスタ」では芦有ドライブウェイの有馬ゲート料金所から、東六甲展望台までの6.5km(タイム計測区間は4.1km)を走りタイムを競う。種目は1回の走行タイムで競うSエントリー、2回のタイムで競うWエントリー、チーム上位3名の合計タイムで競うチームエントリーがある。また別枠でタイム計測を行わないファミリーの部もある。自分はSエントリーに申し込んだ。f:id:massto0421:20230630072600j:image

会場までのアクセスは神鉄有馬温泉駅から有馬ゲートまで向かうのが1番早いが、輪行するのが面倒だったので実家から自走することにした。大会運営側としては有馬温泉の宿に前泊してもらいたかったと思うが、そこは地元民なのでご勘弁を。神戸や大阪のサイクリストの多くは車か自走で来られたのではないかと思う。

受付が6時半からからスタートするので当日は3時起き。実家のある東灘から有馬まで一番楽なルートを考えた結果、芦屋のハニー坂から登って東六甲ドライブウェイに合流し、大谷乗越をこえて船坂に出るルートを取った。

東六甲ドライブウェイに合流したあたりで綺麗なお月様が見られた。細野さんの「honey moon」を流しながら、足に負担がかからないようにゆっくり登る。

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5:30ごろ船坂のセブンイレブンに到着。自走民が続々とやってくる。大阪側の人は蓬莱峡を超えてきたようである。そして会社の同期のS君とも遭遇。一緒に会場へ向かう。
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会場では母校の自転車競技部の現役メンバーとお世話になった顧問にお会いできた。公道を練習場とする自転車競技を学校の部活動として続けていくのは非常にリスクが高い。大会の数日前にもインカレのロードレースで大規模な落車があり、大学生が一人亡くなる不幸な事故もあった。自分が部員として活動した約5年間のなかでも安全面での問題が絶えなかった。問題が起こるたびに部員と顧問で話し合いの場を設け、部を存続するための手段を探りながらやっていったものだった。顧問として今でも自転車競技部を見守っていただいてることに驚いたし、当時のことを思うと頭が上がらない。

また自転車競技部の4つ上の先輩にあたるTさんにもお会いできた。ダウンヒルが物凄く速い方で、部内では頭のネジが飛んでるのではないかと囁かれていたような人である。とても陽気で面倒見のいい一面もあり後輩から慕われていたのは間違いない。

あとは当日会場で会う約束をしていた自転車好房ラルプデュエズの店長とも無事に合流。ここ数年、新規事業や家庭のことでなかなか自転車に乗る時間が作れず悶々とされているため、今回の大会はリハビリも兼ねているそうだ。店長と同じくラルプデュエズのスタッフであるルミさんも学生時代にお世話になりっぱなしで、お二人のことはまた追々書きたいと思っている。

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レースは年代別で出走していく。先輩のTさんの横に位置をつけて待機した。10代の選手が出走して数分後、20代出走の号砲が鳴った。同期のS君が勢いよく飛び出していくのを後ろから眺めながら、小気味よくダンシングで登っていく。しばらくして先輩のTさんとトレインを組むような形になり、自分にしてはいいペースで高度を上げていった。Tさんの後姿を眺めながら走ると、自転車競技部で練習していた思い出が一気に押し寄せてきた。神戸空港島や明石のトラック練など、平坦路が苦手だった自分はいつもTさんやその他の先輩方の背中を見ながら走ったものだった。そういった思い出を懐かしめたことで、レース中にもかかわらず楽しくもあり、苦しくもあり、穏やかでもあり、様々な感情が混在しながら走るという貴重な体験ができた。

残り3分の1といったところで、スタート時に飛び出していった同期のS君の姿が見えた。このペースで行けばゴール前にはパス出来そうだが、自分もそろそろ余裕が無くなってきたので、その可能性は五分五分といったところだった。ゴール200m手前あたりのトンネルの入り口付近でS君を目の前にとらえパスする。そのまま最後のスパートをかけた。S君の横を通りすぎたとき、S君もこちらの存在に気がついたようで後ろから猛追してくる。私のスパートはトンネルを出る前に力付き、後ろから猛追してきたS君に刺し返されて、わずか1秒ほどの差でゴールした。思いがけず熱い展開となり、誰かと競い合うレースの醍醐味を久々に味わえた。計測区間を過ぎて東六甲展望台まで流す。秋の気配が近づく六甲山の清々しい風で身体の熱は放散され、ほどよい疲労感と充足感につつまれていった。
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