茄子がままに

週末の山遊び、街遊び、自転車遊びのこと。ホームマウンテンは六甲山です。

アルプス山行

10月初旬のパノラマ銀座②(2023/10/4,5)

大天荘のランプ喫茶を満喫したのちテントに戻った。テントは強風に煽られてバタバタとはためき、人が入っていないと今にも飛ばされてしまいそうである。シュラフに潜り込んで寝る準備をしたものの、テントのはためく音が煩くてとても安眠できるような状況で…

10月初旬のパノラマ銀座①(2023/10/4,5)

北アルプスの紅葉を観たい衝動に駆られて性懲りもなく常念山脈へとやって来た。北アルプスで最もメジャーな紅葉スポットといえば三段紅葉で有名な涸沢カールだが、人気であればあるほど登山者の数も多くて興を削がれる。それに比べてここ常念山脈、具体的に…

北アルプス縦走(富山湾ー上高地)③(2023/08/12〜14)

3日目 0:00 三俣山荘 出発 元々の計画では新島々をゴールとしていたが、今やCT20時間以上にこだわる必要も無くなってしまったので上高地に変更した。情けない話だがとにかく今回の山行は下方修正が多かった。自分の力を過信していた結果である。 前日の夜、…

北アルプス縦走(富山湾ー上高地)②(2023/08/12〜14)

2日目 この日は五色ヶ原から双六小屋まで縦走する予定。一番の山場はなんといっても薬師岳だろう。2年前に上高地から室堂まで縦走したときに一度同じ道を逆走しているが、薬師岳から五色ヶ原までかなり長かった印象がある。今度は同じ道を登らなければならな…

北アルプス縦走(富山湾ー上高地)①(2023/08/12〜14)

日数の取れる盆休みは南アルプス縦走(市ノ瀬ー畑薙ダム)を計画していたが、ちょうど静岡あたりに台風が接近していて悪天候が予想されたため北アルプス縦走に変更した。 コースはTJARと同じにしたが、ミラージュランドを出発し上高地をゴールとすると3日目…

仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳②(2023/07/29,30)

2日目 1:16 長衛小屋 出発。このときの就寝装備はエスケープビビィのみ。服はおたふくインナー+モンベルulライトシェル+モンベルサーマラップジャケット。下は薄いラン用のロングパンツ。特に寒さは感じなかった。この時間はまだ寝ている人がほとんどなの…

仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳①(2023/07/29,30)

TJAR選考会の正式なルートは当日に発表されるが、スタート地点、ゴール地点、1日目のテント場は報告書などで公表されているので大体のルートは把握できる。今回の山行の目的はそのルートを歩いて選考会のイメージを掴むことである。 2:00 駒ヶ根駅スタート …

裏銀座縦走②(2023/07/16,17)

裏銀座縦走2日目 3:00 双六小屋出発。相変わらず風は強くガスも濃い。双六岳の山頂周辺はなだらからな丘陵地帯のようになっているため、今日のようにガスが濃いと非常に道がわかりづらい。登山道沿いにポツポツと積まれているケルンに時折助けられながら、登…

裏銀座縦走①(2023/07/16,17)

3連休なか日ということで高速道路は混雑をきわめ、13:34に上高地到着予定だった高速バスは約1時間遅れとなった。バスの車内で北アルプスの天候情報を収集していたが、槍ヶ岳周辺の稜線ではかなりの強風が吹いているようだった。また先月、パノラマ銀座を一緒…

ブログ紹介と記事一覧(固定)

自己紹介 神戸出身、堺在住の1999年生まれ。六甲山の麓で生まれ育ち、幼いころから親に連れられ六甲山へ。学生のころから始めたロードバイクをきっかけに六甲山の魅力に憑りつかれて入り浸るようになる。2020年に就職で堺に引っ越したが、週末になると神戸に…

六月のパノラマ銀座縦走②(2023/06/17,18)

3:30ごろに目が覚めた。大天荘のテン場は標高が高いこともあり毎回眠りが浅いのだが、昨晩は割としっかり眠れた気がする。テントを撤収してから再び大天井岳の山頂へ向かった。初めて大天井岳を訪れたときのご来光は、眼下の安曇野や松本の町を埋め尽くすか…

六月のパノラマ銀座縦走①(2023/06/17,18)

松本駅西側のコンコースは北アルプスの山々が一望できるようにガラス張りになっている。大阪から夜行バスに乗って松本に着くとまず、このガラス張りの展望デッキを覗きに行くのが慣例となっている。この日もいつもと同じように北アルプスを拝みに駅へ向かっ…

栂海新道から白馬岳③(2022/08/15,16)

2時間ほど仮眠し23時に朝日小屋を出発。あまり眠れなかったものの十分身体を休められたので足取りは軽い。気温はさほど低くないが、ときおり日本海側から突風が吹き付けるため、ウインドブレーカー代わりにしているレインジャケットを羽織って次の目標となる…

TJAR2024の参加条件変更について思うこと

4月29日にTJAR2024の参加要件が発表された。2022年大会からの大きな変更点は2つ。その内容を公式HPから引用する。 TJAR2024においては、これまでの内容を踏襲した上でいくつかの変更を加えています。大きい所では「③参加条件 1,」本大会を想定した行動につ…

栂海新道から白馬岳②(2022/08/13,14)

親不知海岸から標高2418mの朝日岳まで、約27kmつづく栂海新道が開通したのは1971年。北アルプスの登山史としてはごくごく最近の話である。地元の電気技術者である小野健さんを筆頭に「さわがに山岳会」のメンバーの手作業によって開通された。藪刈り中に富山…

栂海新道から白馬岳①(2022/08/13,14)

2021年の段階で計画していた親不知ー上高地の北アルプス縦走は、5月のカトブンで酷使した足の怪我により不可能となっていた。今の足の状態や体力を考慮し、短縮版として親不知から爺ヶ岳あたりまで縦走できればとも考えていたが、どうにも山行計画日の天気が…

TJAR2022開会式(2022/08/07)

8月6日金曜日。連日の大雨による土砂災害の影響で特急サンダーバードがまさかの運休。仕事が終わる17時に会社を出て、深夜0時までに富山県西魚津に到着するためには…と急いで調べる。結局、新幹線で大阪から名古屋まで出て、高速バスに乗り換えて富山へ向か…

残雪の幻想(2022/07/09,10)

六月初めの常念乗越 残雪に輝く槍・穂高の稜線 標高三千メートル 豊かなカールの雪をめぐらす 中岳支稜に浮かぶ あでやかな 残雪の造型 右手にかざす扇に 岳の夏を呼び たゆとう袂に 稜線の春を送る あわただしく移りゆく 季節の谷間に ひそやかに 浮かび 舞…

剱岳 (2022/07/30,31)

私たちの命の長さでは測り切れない夥しい年月の、時には悲しくなるほどの冷たさを内に隠した岩の峰。しかもそれは永遠不変の姿の存在としてではなく、老いたる人の顔に深々と刻まれた皺に似た亀裂を、岩の物語として洵にあからさまに見せている。 串田孫一『…

2年後に向けて(2022/04/20)

今日、TJAR2022の大会要項・選考会要項が発表された。ざっと目を通した感じでは、2020年大会と変わりはないようである。自分が目標とする2024年大会もいよいよ2年後に差し迫った。焦りを感じるものの大会に向けてどれほどのトレーニングを積めばいいのか分か…

常念山脈縦走②(2021/06/25,26)

今回の装備について。基本的には去年の中央アルプス縦走中央アルプス縦走①(2020/09/20,21) - 自転車で山、海へ行くから変わらないが、細かい部分は変更点がある。レインウェアは雨の日の自転車通勤で使い倒してたので、上だけモンベルのバーサライトジャケ…

常念山脈縦走①(2021/06/25,26)

6月24日木曜日、JR阪和線で大阪駅へ向かう車中、高速バス予約サイトの申し込み履歴を何回も見直しながら、私は絶望の淵に立たされていた。予約しておいたはずの松本行き夜行バスの履歴に、“キャンセル済み”の文字が並んでいる。脳内が一瞬はてなマークで埋め…

中央アルプス縦走③ (2020/09/20.21)

4:30 檜尾避難小屋を出発。残念ながら星は見えなかった。夜間は無風で気温も高く、快適に眠れた。少し出発が早い気もしたが、私の不安症な性格上、余裕があればあるほど良い。これから向かう空木岳の前には熊沢岳、東川岳という山があるためアップダウンの激…

中央アルプス縦走②(2020/09/20,21)

6:30 コガラ登山口出発 まず目指す木曽駒ヶ岳は、伊那や駒ヶ根側から登るのが一般的だが、TJARでは木曽側の福島Bコースを登る。山頂までの標高差は約1600m、距離は7.5kmほどなので、なかなかの急登と言える。 序盤はなだらかな林道を進むため、足ならしに丁…

中央アルプス縦走①(2020/09/20,21)

木曽山脈、いわゆる中央アルプスの谷間を縫うように走るJR中央本線の終電には、私を含めて3人しか乗客がおらず、車内にはただただ心地良い列車の走行音が響くだけであった。そのせいかいつの間にか寝入ってしまい、気づけば降りるはずだった原野駅は過ぎてい…

燕岳ビバーク訓練(後半)(2020/07/25)

テント設営後、横になってたらいつの間にか寝ていました。慣れない夜行バスであまり寝付けなかったからでしょう。時計を見るとまだ16:00。今一度シェルター内の状況を確認しておきます。床は水がかなり染み込んできてて隅の方では小さい水溜りが出来ています…

燕岳ビバーク訓練(前半)(2020/07/24)

昨年の9月、それまで山といえば六甲山しか知らなかった私は、桁違いにスケールの大きい北アルプスの山中で3日間過ごし、山の価値観が吹き飛ぶのをひしひしと感じていました。 空の中を走る常念山脈の美しい稜線、水平線の彼方まで広がる雲海、人間を寄せ付け…

TJARへの憧れと想い

TJAR(トランス・ジャパン・アルプス・レース) 富山県魚津市の日本海から、静岡県静岡市の太平洋を、日本アルプスを縦走しながら約415kmを8日間で踏破する山岳レース。 累積標高は約27000mに及び、富士登山7回分に匹敵する。 初めてこのレースを知ったのは7…