3日目
0:00 三俣山荘 出発
元々の計画では新島々をゴールとしていたが、今やCT20時間以上にこだわる必要も無くなってしまったので上高地に変更した。情けない話だがとにかく今回の山行は下方修正が多かった。自分の力を過信していた結果である。
前日の夜、友人にゴールを変更したことを伝えたら「上高地の関門は間に合いそう?」と返信が返ってきた。あまり時間を意識したくはなかったが、ここまで下方修正を重ねて情けない山行だったので、最後くらいは行けるところまで行ってみようという気になった。
TJAR本戦での上高地の関門時間は3日目のAM8時。三俣山荘から上高地までのCTは14時間45分である。0時に三俣山荘を出発して8時に上高地に着くためにはCT0.72のペースで行動する必要がある。いまの疲労具合を考慮すると間に合うか間に合わないかギリギリといったところである。
0:33 三俣蓮華岳
三俣蓮華や双六周辺を通るときはいつもガスっていたが、今日は晴れていて見通しがよかった。
1:19 双六岳
1:55 双六小屋
当初の計画では2時に双六小屋を出発することになっていたので、ここで巻き返したことになる。その分、三俣での睡眠時間は削ることになったが…。
2:19 樅沢岳
西鎌尾根は緩やかな区間が多いので割と走れる。2日目の行程がグダグダだった分、いくらか足は軽かった。
3:54 千上乗越
千上乗越から槍ヶ岳山荘までがキツイ区間。容赦のない登りである。風が冷たかったので上下レインを着込んで進んだ。寒さのせいか、睡眠時間が短いせいか、槍ヶ岳山荘の真下あたりで心臓がバクバクして、このままのペースで行くとマズイと本能的に感じた。少しペースを落として進む。
4:45 槍ヶ岳山荘
上高地の関門に間に合うには、遅くても5時までに槍ヶ岳山荘に着かなければならない。と思っていたので予想よりも早めに着いて安心。休むことなく急ピッチで槍沢を下山していく。
ペースが早すぎて暑くなってきたのでレインを脱いでさらに走る。2022年のTJARでは3人の選手が上高地の関門ファイトを繰り広げていたが、彼らの気持ちになったようである。
6:20 ババ平
横尾から上高地までが丁度10kmなので、6:40までには横尾に着きたかった。しかしババ平に着いたのが6:20 あと20分で着くのだろうか。とにかく走った。
7:11 横尾山荘
無心で走った結果、横尾に着いたのは7:11 残り10kmを50分で走る?今の足の状態でキロ5分で走ろうもんなら故障間違いなしである。関門ファイトは実質、横尾で終了した。
8:12 徳澤園
上高地方面から観光客がたくさん歩いてくるなか、半分眠りながら足を引き摺るようにして歩いていた。早く温泉に入りたい、美味しいご飯を食べたい、座りたい、眠りたい。そういった生理的欲求ばかりが頭に浮かんでくるのは体力の限界が近い証拠である。
9:42 河童橋
距離:114km 獲得標高:8194m
私の夏休みが終わった。