日々の暮らしに追われている時、もうひとつの別の時間が流れている。それを悠久の自然と言っても良いだろう。そのことを知ることができたなら、いや想像でも心の片隅に意識することができたなら、それは生きてゆくうえでひとつの力になるような気がするのだ。
人間にとって、きっとふたつの大切な自然があるのだろう。ひとつは、日々の暮らしの中で関わる身近な自然である。それは道ばたの草花であったり、近くの川の流れであったりする。そしてもうひとつは、日々の暮らしと関わらない遥か遠い自然である。そこにいく必要はない。が、そこに在ると思えるだけで心が豊かになる自然である。
子孫を残すために己の身を削りながら千歳川の急流を泳ぎつづけるサケの群れ
カムイルミナが魅せるアイヌの神聖な世界観
しんしんと静けさが漂う阿寒湖とオンネトー
雌阿寒岳の厳しくも美しい火口
眼前に屹立する阿寒富士の迫力
見わたす限りどこまでも広がる十勝平野
北海道で暮らす人々の温かさと力強さ