自転車で山、海へ行く

週末の山遊び、街遊び、自転車遊びのこと。ホームマウンテンは六甲山です。

仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳②(2023/07/29,30)

2日目

1:16 長衛小屋 出発。このときの就寝装備はエスケープビビィのみ。服はおたふくインナー+モンベルulライトシェル+モンベルサーマラップジャケット。下は薄いラン用のロングパンツ。特に寒さは感じなかった。この時間はまだ寝ている人がほとんどなので音をなるべく立てないように支度して長衛小屋を後にした。20分ほど歩いた先には仙水小屋という小さな山小屋がある。こちらは標高2137m地点にあるため、TJAR課題のビバーク条件に満たしている。

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選考会2日目の行程は長衛小屋→大仙丈ケ岳→北沢峠→南アルプス林道→仙流荘だが、今回は大仙丈ケ岳の代わりに甲斐駒ヶ岳へ行くことにした。まずは仙水峠へと向かう。仙水峠へ向かう道中にガレ場があり、空が開けて見える場所がある。当日はよく晴れており一面星空が見えた。深夜2時の登山道には自分しかおらず、まるで宇宙遊泳をしているかのような気分でガレ場を通過した。
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2:07 仙水峠(2264m)
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地図を見てもらうとよくわかるが、仙水峠から等高線の間隔は狭まり本格的な登りが始まる。とりあえずご来光の時間までに甲斐駒ヶ岳の山頂へ着けばいいので、時間は余裕があった。

3:05 駒津峰(2748m)

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東の空が徐々に明るくなっていく。空は雲一つない快晴で、山頂でのご来光に期待感が増していった。甲斐駒ヶ岳直下はなかなかの難所で鎖場が連続する。足元が暗いので慎重に登っていった。

4:04 甲斐駒ヶ岳(2965m)
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山頂に到着。空はオレンジ色に染まり出していて美しいグラデーションを作り出していた。今まで見てきた夜明けの空のなかでも、一二を争う美しさである。南東の方角には富士山のシルエットが浮かんでいた。北アルプス中央アルプスから見えることもあるが、両者よりも距離が近いのでハッキリと見える。ご来光まであと30分はありそうなので防寒具を着込んで岩と岩の隙間に座り、そのときを待つことにした。
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ここ最近のアルプス山行といえば常にTJARを意識したスピードハイクで、振り返ればこんな風に山頂でゆっくりと景色を眺めることもなかったなと思う。空の様子は刻一刻と変化していて、その一瞬を切り取りたいがために写真を撮るが、キリがないことに気付いて撮るのをやめた。変わりにその変化を逃すまいと必死に目に焼き付けた。

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甲斐駒ヶ岳の山頂は人が多かったので、山頂から少し離れた烏帽子岩に移動した。ここなら静かに日の出の一部始終を眺められそうだ。まずは南東側の景色。手前はアサヨ峰、奥左手に富士山、右手に北岳間ノ岳が並ぶ。

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続いて南側、左手奥は先ほどと同じく北岳間ノ岳、右手のなだらかな山は昨日登った仙丈ヶ岳
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そして振り返れば甲斐駒ヶ岳の山頂が赤く焼けていた。過去を振り返っても一二を争う美しいご来光に、ただただ生きていて良かったなと思えた。生きる意味は人それぞれだと思うが、私にとって美しい景色を見ることは生きる意味のひとつなのかもしれない。f:id:massto0421:20240114084927j:image

右側の尾根はアルプス三大急登の一つとして知られる黒戸尾根である。この日も多くの登山者がご来光を見るために黒戸尾根を登っていた。日の出前に到着して30分以上経っただろうか。そろそろ下山を開始しなければならない時間だ。甲斐駒ヶ岳の山頂に別れを告げて北沢峠へと向かった。
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甲斐駒ヶ岳から双児山へ向かってる稜線の途中からは中央アルプスが一望できた。双児山から北沢峠まで下ってる最中に多くのパーティが甲斐駒ヶ岳を目指して登っていた。
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6:40 北沢峠(2037m)

トイレに行ったり水を補給したりして体制を整える。北沢峠からゴールの仙流荘までは南アルプス林道バスが通っており、それに乗って行き来するのが一般的である。選考会ではもちろん自分の足で向かわなければならない。
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仙流荘までの道のりは大まかに2通りのルートがある。一つ目はバスが通る南アルプス林道。二つ目は戸台河原コースである。選考会では恐らく前者の南アルプス林道を通るルートなのだが、勘違いしており戸台河原コースの方を選択してしまった。ちなみに戸台河原コースは南アルプス林道が使えない冬季のアプローチに使われるそうだ。
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北沢峠から八丁坂、丹渓山荘跡を下って赤河原分岐まで来た。ここからひたすら川筋に沿って戸台登山口を目指す。
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初めこそ綺麗な水を横目に気分よく歩いていたが、進めども一向に変わらない景色に早くもうんざりしてき始めた。ゴロゴロと大きめの石が転がっている河原は歩きづらくスピードが上がらない。河原なので日差しを遮るものがなく、ジリジリと首の後ろが焼けていく。川沿いに進めばいいものの、幅数十メートルもある河原なのでルートファインディングにも気を使う必要がある。要所要所に赤テープのマーキングがあったりするが、間隔が離れすぎているのであまりアテにならない。ヤマレコのGPSを頼りにして進んだ。(この時点では選考会もこのルートを通ると思い込んでいた。)
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時々、渡渉を強いられるので水に落ちないように気をつけていたが、何度目かの渡渉で足を滑らせてからはヤケクソ気味になり川の中を進んだ。水が冷めたくて幾分かリフレッシュになった。
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白石堰堤と思われる堰堤の横道を進むと、今回の山行で一番の難所が現れた。横道から再び川筋に復帰しなければならないのだが、復帰するために5mほど下降しなくてはならない。本来であれば川へ降りられるように道が整備されているはずなのだが、どうも崩れてしまったようである。
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今更引き返すわけにもいかないので、ほぼ垂直になった崩壊箇所を滑るようにして下降した。
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見上げるとこんな感じ。地面に埋まって固定されている(と思われる)石を頼りに何とか川まで降りることができた。
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ここまで来れば戸台登山口はもうすぐだ。

9:28 戸台登山口
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結局、北沢峠からここまで誰一人会うことはなかった。ここまで人がいない登山道も珍しいのではないだろうか。
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ようやくの舗装路にホッとする。もう河原は懲り懲りである。
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仙流荘までのウイニングラン。青々とした空、濃い山の緑、気持ちいい。
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10:25 仙流荘
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仙流荘から高遠までバスが通ってるのでそれを待つ。あと1時間以上あるので、バス停近くの木陰に腰を下ろして山行の余韻に浸った。バス停には幸い自販機があったのでジンジャーエールを飲む。今まで飲んだジンジャーエールの中で一番美味しかった。

高遠に「さくらの湯」という温泉があるので、大阪に帰る前に体を洗い流す。高遠から伊那市駅までもバスがあるので温泉の後に乗った。伊那市駅周辺ではお昼ご飯にローメンを食べた。不思議な味わい。あとは趣のある古本&レコード屋さんがあったので入店して本を物色した。
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