自転車で山、海へ行く

山、海、街、自転車、船、本のこと

常念山脈縦走①(2021/06/25,26)

6月24日木曜日、JR阪和線大阪駅へ向かう車中、高速バス予約サイトの申し込み履歴を何回も見直しながら、私は絶望の淵に立たされていた。予約しておいたはずの松本行き夜行バスの履歴に、“キャンセル済み”の文字が並んでいる。脳内が一瞬はてなマークで埋め尽くされたが、すぐさま冷静さを取り戻し、いったい今の予約状況はどうなっているのか分析した。どうやら予約したものの決済が完了しておらず、自動的に予約キャンセルとなったらしい。予約する際に、確かにクレジットカードの情報を入力し、その場で決済も完了させたように記憶しているが出来ていなかったようだ。

日々の休日出勤を重ねながら何とか勝ち得た3連休。ようやく北アルプスの地に還り、身も心も大自然に預けながら山行を楽しむはずが、よもや高速バスの予約ミスという、この上無くしょうもないミスで全てが台無しになってしまうのか。自身の不甲斐なさに情けなくなった。しかし電車に乗って、今まさに大阪へ向かう最中で引き返すわけにもいかない。もしかすると奇跡的に席が空いてるかもしれない。暗鬱な心持ちのまま一縷の望みに掛けて、梅田三番街の高速バス乗り場へ向かうことにした。

高速バス乗り場へ着くと、受付のおじさんに意を決して尋ねた。

「9時40分発松本行きのバスって席空いてたりしませんかね…。」

「あぁ、空いてますよ。窓側の席は一つしかないけど、そこでいいですか?」

ーーー。勝った。

「空いてるんですね!そこで大丈夫です!」

予定通り松本へ行けることが分かり、先程までの暗鬱たる気持ちは消え去り安堵感に包まれた。これはおそらく先週巡礼してきた摩耶山開運8ヶ所巡りのおかげだろう。雨が降りしきる中、夜勤明けの身体に鞭打って30kmほどの山道を巡礼してきた甲斐があったというものだ。

定刻通りやってきたバスに乗り込み、ホッとする。前席に座っている女性が少しの断りもなしにグイグイとリクライニングを倒してくるが、そんな些細なことは全く気にならない。森羅万象、私を取り巻く全ての事柄に感謝の気持ちでいっぱいである。しかし、それにしても些かリクライニングを倒しすぎではないのか、倒しすぎてあなたの後頭部が丸見えなのですが。まぁ本来なら無念極まりなく寮へと引き返している身である。リクライニングがどうこう言える立場ではないのだ。やや窮屈な姿勢になりながらも、眠気に任せて目を閉じた。翌朝、6時10分ごろ終点の松本バスターミナルに到着した。件のリクライニング問題でなかなか寝付けず、1時間おきに目が覚めたので非常に眠たい。前席の女性はさぞかし良く眠れただろう。本望ではないが彼女の快眠に貢献できたのなら良しとしよう。決して本望ではないが、、

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どの街でも早朝の空気感がたまらなく好きだ。着飾らないその街本来の雰囲気や生活感を肌で実感できる。松本は大阪よりも2〜3℃気温が低く涼しい。松本駅の西側には北アルプスの大山脈が連なっており、遠目から見てもそのスケールの大きさがよく分かる。駅前のロータリーに面するマクドナルドでソーセージマフィンを2つ食べた。夜行明け、朝マックの美味さたるや。

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腹ごしらえをしたのち松本駅から大糸線に乗り、穂高駅へ向かう。ちょうど通学時間帯と重なったようで、同じ車両に地元の高校生が大勢乗っている。大山脈を背に生まれ育った人たちにとって、山とはどういう存在なのか気になったりした。

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穂高駅に到着。いつもなら中房温泉までのバスの運賃を節約するために、一駅先の有明駅で下車し、約5kmほど離れたバス停まで歩くのだが、今回は仕事の疲れを溜め込んでいたので、素直に穂高駅から乗ることにした。同じバスに乗ったのは自分と、50歳くらいの男性の2人のみ。6月下旬といえば、まだ本格的に夏山シーズンは始まっていない為、予想以上に空いていた。バスの運転手さんが1年前に乗ったときと同じ、具志堅用高似の方で嬉しくなった。あいも変わらず華麗なハンドル捌きで、ヘアピン続きの細い峠道をぐんぐん上っていく。天気は曇り予報だったがときおり晴れ間が見え、木漏れ日が差すなか1時間ほどのドライブを楽しんだ。

3度目の北アルプス。未だに楽しみと不安の割合は3:7ぐらいで一向に慣れない。とにかく無事に山行を終えられるよう、一層気を引き締めた。

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