茄子がままに

週末の山遊び、街遊び、自転車遊びのこと。ホームマウンテンは六甲山です。

厳冬期巻機山(2023/02/12)

しんしんと冷え込む山麓の朝は一面、雪景色である。東の空から昇ってきた太陽が、むこうに見える白い山肌の一部を照らし始めていた。雪山の朝がしずかに躍動する様子を眺めながらスノーシューをひたひたと歩ませていった。前日は夜行バスで長岡入りし、長岡在住の友人T君と、同じ夜行バスに揺られて神戸からやってきたF君とで弥彦山に登った。やはり北陸の2月は身体の芯から冷えてくるような寒さで、今日の巻機山も寒さだけが不安要素となっていた。当日は写真でも分かる通りドピーカンの空。景色は美しいが放射冷却によって昨日よりも寒さが身に沁みた。
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冬山コースの直登に差しかかる頃には太陽が顔を出し、立ち並ぶ樹木に濃い影を落としていた。その影は巻機山に積もる深雪の白さをいっそう際立たせ、コントラストがどこまでも美しい。我々以外の登山者の7割はバックカントリスキーを装備していた。登りこそスキーの重さで苦労することになるかもしれないが、広々とした山頂から滑降するのはさぞかし爽快であろう。
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直登を登りきり尾根に出ると視界が開ける。振り返れば周辺の銀嶺たちがそびえている。長岡在住でこのあたりの山をよく知っているT君が山座同定をしてくれた。太陽が出てから気温はみるみる上昇し、尾根に出るころにはハードシェルも、ミドルレイヤーも脱いでアンダー1枚になっていた。それが丁度いい服装だった。2月の厳冬期らしからぶ雪中登山である。
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尾根はゲレンデのように広々としており気持ちがいい。バックカントリーが多いのも頷ける。前方に見える頂上のような部分は巻機山ではなく割引岳である。f:id:massto0421:20230718074409j:image

割引岳の斜面には一筋のシュプールのように雪庇の模様が描き出されていて美しい。またそのおおらかな山容は雪山がよく似合う。
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ニセ巻機山からは言葉を失うような絶景が広がっていた。剣岳に登頂したときもそうであったように、あまりに現実離れした風景を前にすると、下山してからもその場にいた実感が湧いてこないのである。
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ニセ巻機山の少し先には避難小屋があり、避難小屋から山頂へとつづく尾根へ出るための最後の急登が待ち構えている。f:id:massto0421:20230718074426j:image

山頂へと続く尾根に出た。尾根というよりかは準平原のような平べったい地形になっている。この写真だけ見るとまるで北極か南極のような雪原に立っているかのような錯覚を受ける。
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